第一章
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その海を見てだ。シャリアピンは目を細ませて言った。
「ここに来るまでずっと見ていたが」
「それでもですね」
「こんな奇麗な海をいつも見ているのか」
ナポリ人はというのだ。
「いいな。羨ましい」
「そうですね。イタリア人は幸せですよ」
「こんな幸せな国があるのか」
シャリアピンはこうまで言った。
「いや、これはな」
「パリよりもですね」
「素晴らしい」
シャリアピンは今パリにいるのだ。ロシア革命で亡命を余儀なくされてだ。それでパリに拠点を置いて活動をしていたのである。
そのパリと比べてもだ。ナポリはだというのだ。
「こんな素晴らしい国があったのか」
「イタリアは」
「そしてナポリは」
イタリアもナポリも褒めるのだった。そしてだ。
彼はマネージャーにだ。こう言ったのである。
「では。まずは」
「はい、ナポリに来たのですから」
「食べよう」
こう高らかに言ったのである。
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