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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十三話 限界を知る為の戦い
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ミサキが一番心配しているのは縮地を全力で使う事だ。
あの限界を知る為なら何でもする全だが流石に体を壊すような事はしないだろう、ミサキはそう思っていた。
だが、全の思考はそんなもの考えていなかった。
(まさか、縮地の二歩手前に追いつける人がいるなんてっ!!!)
(私の全力の一歩手前の速さに追いつくのがこんな子供とはなっ!!)
前世で、全の縮地に対応出来ていたのは仲間内を除けば、自身の事をライバルだと豪語していたあいつだけだったので素直に全は嬉しかった。
(これなら、普通に縮地をしてもまだ対応されるだろう、だったら……全力でやるだけだ!!)
「シグナムさんっ!!」
「なんだ、橘っ!!」
姿が見えないながらも、喋り合う全とシグナム。そしてその会話は観戦室にも聞こえていた。
「た、戦ってるのかっ!?あのシグナムと、あのスピードで!?(馬鹿なっ!?ありえない!あいつは僕の踏み台なんだぞ!?あそこまで力をつける必要はないじゃないか!?)」
「す、凄い……」
「うん、全ってば凄いや……」
「し、シグナムと互角なんか?」
「いや、橘が強い事は知っていたが、まさかここまでとは……」
「ここまでなんて……私も知らなかった」
「前世での今の年齢の全の実力よりも上……?じゃあ、まさか……」
それぞれ驚きながら戦いを見守っていると、全は決定的な言葉を口にした。
「貴方相手なら……形振り構わず戦うことが出来るっ!」
「っ!?それは止めろ、全!!!!」
形振り構わず戦う。その単語が聞こえた瞬間、ミサキは訓練室の中が見えるようになっている鏡に張り付き、声を荒げる。
「全!!!止めろ!!!それを使用すればどうなるか、お前が一番わかっている筈だ!!!」
「み、ミサキさん……?」
「ミサキ執務官……?一体……」
「ならば、見せてみろ!その形振り構わない戦いという物を!!!」
「わかりましたよ、これが俺の……本気の全力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そして金属音が鳴り響かなくなり?????????????????気が付けば、シグナムが倒れ、全が立っていた。
「ぐ、……あ”……」
シグナムは腹部と腰部に走る痛みに歯を食いしばりながら耐える。そうでもしなければ痛みで気絶しかねないからだ。
「あ”あ”……(な、なにが起こった……?何も、見えなかった……!)」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
全がした事は単純明快。全が使える二つの歩法術を同時に使った。ただそれだけだ。
全は二つの歩法術が使える。一つが縮地。もう一つが『抜き足』と呼ばれる技法だ。
抜き足とは原理は簡単。相手の無意識下に高速で動くだけ、という
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