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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十三話 限界を知る為の戦い
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あの時?と全は心の中で疑問に思うが、すぐに答えは出た。
そうか、神楽院の事か。と。神楽院の戦い方を見た覚えはないが、恐らく徹底的に相手を観察してから戦っていたのだろうと思う。
「それでは、これからが本番だな!」
シグナムはそう言うと、全から一度離れると降り立ったその場所から消える。
(いや、消えたんじゃない。高速で動き続けてるのか……)
全はその場から一歩も動かずにただ体勢を低くしたままだ。それを見た聖は思った。これで神楽院の負けだな、と。
あいつが動けないのはシグナムの動きが見えてないから。だったらこの勝負、決まったも同然だ。
聖は勝手にそう解釈した。
しかし、全と相対しているシグナムは違う考えだった。いや、むしろ先ほどよりも顔には緊張が走っていた。
(橘の奴、完全に私の動きを見切っているっ!?)
そう、全は目を閉じてただ体勢を低くしているだけ。しかし、常に意識はシグナムの動きを追っていた。
そして全は
完
(
・
)
全
(
・
)
に
(
・
)
シ
(
・
)
グ
(
・
)
ナ
(
・
)
ム
(
・
)
の
(
・
)
動
(
・
)
き
(
・
)
を
(
・
)
把
(
・
)
握
(
・
)
していた。
それにシグナムは驚く。速さには自身があったからだ。フェイトに負けるにしても、それでも完全に見切られるという事はなかった。なぜならば、シグナムは歴戦の戦士。動きを見破ることはそれこそ、相手も歴戦の戦士でなければ殆どありえない。
しかし、全の事を知る者ならシグナムの動きを完全に見切っている全を見てこう言うだろう。
「あんなのは
全
(
東馬
)
からすれば、丸見えも同然」と。
全は自身の歩法術『縮地』によって人間の出せる限界に近い速度の世界を知っている。
しかし、シグナムはまだその世界に入り込めていない。
ただ、シグナムが遅いわけではない。全が速すぎるだけなのだ。
そして、全は動く。自身の今の限界を知る為に。
(まずは……縮地の二歩手前っ!)
(っ、来るっ!!)
全が今までいた場所から消える。そして、鳴り響く金属音。
そして双方の姿が見えないにも関わらず、それからもずっと金属音が鳴り響き続ける。
「え、えっ?ど、どうなってるの?」
「シグナムと互角なんか!?フェイトちゃん並のスピードやん!?」
なのはとはやては驚く。全にそこまでの強さはないと思っていたからだ。
しかし、フェイト達は違う。全は努力していた。それこそ子供の頃からだ。だからこそ、あれくらいは出来ると思っていた。
だが、ミサキはそれ以上に心配していた。
(全君、試すためとは言え、全力の縮地は使わないでね……!)
今の全の足なら普通の縮地だけでもなんとか耐えられるだろう。だが、それも持って数分程だ。
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