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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十三話 限界を知る為の戦い
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はな」

「そうなんですか?」

「ああ、まったく」

本当に、この世界に来てチェーンバインドという魔法を知った時は思わず膝から崩れ落ちてしまったからな。

こんな便利な物があったなら、前世ではどれだけ楽だったかと思ってしまった。

いや、決して楽をしたいから言っているわけではないぞ?ただ、鎖を縦横無尽に扱うのに相当な時間を使ってしまっていたからあまり鍛錬に身が入らなかったんだ。

そのせいなのか、前世では東馬や双覇さん、メリルさんの手を煩わせた事も多々あったからな……。

「あ、あの、なんでそんな哀愁漂わせるような顔をしてるんですか?」

「ん?ああ、いや、別に。何でもない……」

どうやら思い出していたせいで若干悲しげな顔をしていたらしい。

「それよりも、見ていた方がいいぞ。全の戦い方は……恐らくこの魔法世界において原始のような戦い方だからな」

「「「「「「???」」」」」」

私の言葉を聞いた六人(いつの間にか戻ってきたなのはさん達を含めて)は揃って首を傾げる。

「ま、あいつがシグナムに勝てる訳ないけどな」

そんな中、あのバカは変な事を言っているが、私の耳には聞こえてこない。

なぜなら、私は目の前の戦いに集中しなければならないからだ。恐らく、全はこの戦いで()()を使うだろう。

あれを使われたら、肉眼で捉える事は不可能だからだ。

さあ、見せてやれ、全。前世において、史上最速最強の殺し屋と云わしめた全の実力を。

SIDE OUT

訓練室に入り向かい合う全とシグナム。

二人とも、すでにバリアジャケットを展開しており、シグナムはデバイス「レヴァンティン」を既に抜刀しており、全も腰を低くして、戦闘態勢に入っている。

「シグナムさん。本気でお願いします。でないと、修練になりませんから」

「なるほど。わかった、では最初っから全力でやらせてもらおう。お前も全力を出せよ?」

「わかってます。第一、俺は今まで一度たりとも、手を抜いた事はありません」

前世も含めて、と全は心の中で呟く。

「そうか、それは失礼したな。では、……行くぞっ!」

「っしっ!!」

シグナムは剣を振りかぶり、最初からトップスピードで全へと肉薄し剣を振り下ろす。

それに対し、全は予測していたのか腰からシンを取り出し、その勢いのままにシグナムの剣を防御する。

ガキィンッ!!と金属同士がぶつかり合う音が鳴り響く。

「ほぉ?予測していたのか?」

「まあ、なんとなくですが……開幕直後は誰しもが自身のペースに持ち込みたいと思いますからね。だったらこうなるかなぁとは」

「さすがの観察眼……あの時よりもさらに磨きがかかっているな」


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