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=入試編= シンロセレクト
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飛ばして保健室行きロボに乗せたり、やっと解放された葉隠の下にやってきた頼野が「うおおおおおおお巻き込んですまぬぅぅぅぅぅぅぅッ!!」と地面を叩き割る威力で土下座連弾(ガンメンドラム)を開始して地震計が震度4を記録したりといろんな波乱があったのだが………結果だけ言おう。

「肉眼で確認しづらい要救助者に真っ先に気付く観察力と巨大な危機を前に躊躇いなく救助に駆け出す度量……加えて眼前に危機が迫った状況で極めて冷静に生存の為の最善手を打った判断力。彼には素質があると俺は考える」
「時間ギリギリで救助に成功した上に女の子をお姫様抱っこで仁王立ち!これぞヒーローだよなぁ!!俺は気に入ったぜアイツ!!」

 合理的に考えてアイツ欲しいと考えたイレイザーヘッドとノリでテンションMAXなプレゼントマイク、他数名からレスキューポイントを37点贈呈された水落石は、実技成績8位となる58ポイントを獲得して見事に合格を果たしのだが………個性多用の反動によるパネぇ眠気と案の定痛めてしまった腕の筋の治療のために全力でダラダラしていた彼は合格通知の存在を暫く忘れてしまっていたのだった。



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 剣道の道場というのは主に(小手などの道具が)結構臭うというのが昔の常識だったらしいが、現代日本ではそうでもない。

 というのも……単純な話、俺の通っている道場を含めて全国で剣道の過疎化が進んでいるからだ。これは『個性』の登場以前からその傾向があったことだが、異能社会となってヒーローが現れてからは特に加速度的に過疎化が進んでいる。

 武道とは基本的に己の肉体と精神を鍛え、強くなることを主としている。空手もボクシングもそうだが、これらの武道は球技や陸上などのスポーツと違い、直接的な戦闘技術を以ってして相手を打倒することが求められてくる。
 しかし『個性』やヒーローの概念が浸透してくるとこれらの武道はかなり規模が縮小した。位置から肉体を鍛えて技術を覚えるより『個性』を振るった方が手っ取り早く自分が強者になった実感を手に入れられる。そんな幼稚な思想のせいで後継となるべき若者たちが離れていったのだ。

 もちろん、無くなった訳ではない。空手、柔道、合気道などは『無個性』の人間が自衛能力を手に入れるための手段として恒常的に存続しているし、むしろ大人になってから『個性』以外の能力を伸ばすために純粋な武道の道へ来る者もいる。ヒーロー志願で武道に励んでいる生徒も決して少なくはない。

 そんな状況でもスポーツ界でモロに衰退しているのが剣道だった。
 理由は単純で、ヒーローは基本的に剣術を使えるような長物を持っていない場合が多いからだ。派手で強力な『個性』を武器にするヒーローは一種の客商売であり、武装を固めるのは一般市民を威圧してしまうことから忌避され
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