第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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人間如き何匹喰らおうが難じられる覚えはないわッッ!!
全ては我等が種を厳守するが為の王の御業!!
貴様等如き討滅の道具風情が、異を問うことすら烏滸がましい!!」
先刻と同一人物とは想えない、臓腑の底まで浸透するような叫声で徒は吼え
美女を遙か高見から傲然と見下ろす。
「……!」
ソコで、今まで徒が何を言おうともその麗しさを違えるコトが無かった
マージョリーの美貌が微かに険難な色を帯びる。
その背後で両者をみつめる花京院にも、また。
(下衆が……!)
すぐにでもスタンドを発現させ、人の命をなんとも想わない異界の魔物に
挑みかかろうとする壮気が全身から充ちるが、翡翠の奏者は己を諫め
眼前にて蒼然と佇む彼女に託す。
そして物を語れない彼の心情を代弁するが如く美女、は
「フ……フフ……フ……! やっぱり、徒はこうじゃないとね……
こーゆー解り易いヤツが……一番殺り易いわ……!」
震える声でそう言いながら、これから始まる殺戮の歓喜にその身を奮わせる。
「……ッ!」
そして彼女の全身から急速に発せられる群青色の存在の殺気に、
遙か高見から見下ろしている徒の方が気圧された。
無論その様子を遠間にみつめる花京院も。
そし、て。
彼女の肩から下がった黒いレザーベルトで繋がれた巨大な 『本』
神器 “グリモア” を介して、狂猛なる紅世の王が残虐なる闘いの始まりを宣告する。
「ウチの魅惑の酒 盃の、一番好きな “殺り方” ってのを教えてやろうか?
ソレはテメーみてぇな逆恨みの勘違いヤローを」
ソコで重なる、紅世の王とフレイムヘイズの声。
「返り討ちにするコトよッッ!!」
「返り討ちにするコトだッッ!!」
言葉の終わりとほぼ同時に、全身から迸る群青の火走り。
開いたグリモアを練達の挙止で秋水の如く構える美女。
復 讐 者VS報 復 者
勝者無き死闘、その無情なる幕が、一人のスタンド使いの前で壮絶に上がった。
【2】
戦闘、と呼ぶには、余りにも一方的過ぎる展開だった。
相手に毛筋ほどの付け入る隙も与えない猛攻、暴虐、
ソレはその王の真名が示すが通り、まさに “蹂躙” だった。
徒に見せ場らしきモノが在ったのは最初の一撃。
掠めただけで美女の麗しき肢体を跡形もなくバラバラにしかねない
巨剣を、難なく振りかぶりそして引き絞るように撃ち落とす。
しかしその巨大な斬撃が唸りと共に周囲の空気を弾き飛ばすより速く、
美しき魔獣を彷彿とさせるフレイムヘイズは前方に素早く廻り込みながら
徒の死角の位置に就き、闘争本能で研ぎ澄まされた深紫の双眸で
相手の全急所
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