第六章
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その話を聞くとだ。それでだ。
ラターナは何とにこりとしてだ。こう二人に返したのである。
「ご安心下さい、ご主人様」
「安心してくれって?」
「はい、私のことは大丈夫です」
こう津田にも答える。
「ストーカーが来ても」
「大丈夫なんだね」
「はい、大丈夫です」
また言うラターナだった。
「例え何があっても」
「いや、それはちょっと」
「楽観し過ぎじゃないかな」
津田だけでなくだ。チャーンも言ってきた。
「ストーカーって何をするかわからないよ」
「下手をするとそれこそどうなるか」
こう言うのだった。しかしだ。
ラターナの返事は変わらない。そしてその表情もだ。
つり目の睫毛の長いその目をにこりとさせている。その目での言葉だった。
「私そういうことには慣れてますから」
「えっ、慣れてるんだ」
「ストーカーに」
「はい、慣れてます」
「ううん、だからなんだ」
「大丈夫だっていうんだね」
「そうです。何があっても」
例えストーカーが何をしてきてもだ。大丈夫だというのだ。
だがここでだ。ラターナの返事は変わらない。本当に何でもないといった調子だ。
そんな彼女の言葉にだ。津田だけでなくちゃーンもだった。心配で仕方がなかった。
それでだ。彼女が新たに注文したオーダーを運びに席を立った時にだ。こう話すのだった。
「大丈夫じゃないよね」
「はい、私もそう思います」
「じゃあここはやっぱり」
「私達が一肌脱ぎますか」
「その方がいいね」
「そうですね」
二人で話す。そうしてだった。
二人は密かにラターナのガードをすることにした。そうしてだ。
二人で彼女が店を出た時に家までこっそりと見守ることにした。尚彼女の家が何処かは知らない。
津田は繁華街の物陰に隠れながら家に帰る途中のラターナを見ている。その時にだ。
共にいるチャーンにだ。こんなことを言った。
「メイドでない時の彼女だけれど」
「はい、ジーンズにラフなシャツですね」
「随分とさばさばした格好だね」
「そうですね。ズボン好きなんですかね」
「スカートが似合ってるけれど」
メイドのだ。それがだというのだ。
「それでもズボンも」
「似合ってるっていうんですね」
「スタイルがいいからね」
だからだというのだ。
「似合ってるね」
「確かに。似合ってますね」
「モデルできるね」
そのジーンズ姿で歩く彼女を見ての言葉だ。
「充分にね」
「確かに。顔も奇麗ですし」
「ストーカーもつくよ」
そこまで魅力的だというのだ。ストーカーが悪質であることは事実だが。
「そしてそ
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