第三話 INグレンダン(その1)
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いたんですか、遅くなった理由というのを聞かせてもらいましょうか」
「ああそれか、私がシュナイバルに帰ったことは知っていると思うが?」
「ええ、それは知っていますよ。ですからその後何をしていたのかですよ」
書類から顔を上げずに興味津々のクララ、同時にしょうもないことだった場合第二戦が始まりそうな雰囲気も若干滲み出ている。
「はっきり言ってしまえば修行だな」
その言葉に疑問符を浮かべるクララ、修行以上の実戦をさんざん繰り返していたではないか、と。それにグレンダンに来た方がよほど修行になるのではないか、ということだ。武芸者の平均をとってもグレンダン以上の都市は無い、そう自負しているしそれは事実でもある。
「確かにそうかもしれんが元々実家の修業を途中で抜け出してツェルニに行ったからな。それに双鉄鞭なんて武器を使う流派は他にはほとんどないからな」
後半を聞いてクララも納得する。鉄鞭を使う流派なら幾つも存在する、剣を使った二刀流の流派も幾らかは存在するだろう。だが双鉄鞭の流派など他に聞いた事も無く剣と鞭では使い方に決定的な差があるためあくまでも参考程度にしかならないのだ。
「で、その後は」
「その後は放浪バスでの旅だからな。どの都市に寄るか、どれだけ時間が掛かるかは私が決められることではないだろう?」
「まあそうですね、詳しことは後で家で聞かせてもらいますからね。いいでしょう?」
「私は構わないが、いいのか? 急に厄介になって」
疑問形のくせに決定事項の話し方をするクララ、ニーナ自身に異存は無いがいきなりで迷惑ではないかと思う。
「構いません、どうせ外来者施設に泊まるつもりだったのでしょう。ならうちに泊まってもらった方が明日グレンダンを回るのにも楽ですよ」
「そうか、なら頼む」
「ええ、わかりました。エルスマウさん」
『はいクラリーベル様、ロンスマイア家の方にはお客が来るということで伝えておきましたがよろしかったですか』
「ありがとうございます。それじゃニーナ、少し待っていてください」
どこからともなく現れた蝶型の念威端子にそう伝えると書類に没頭する。
そんなクララの仕事が終わるのを侍女が淹れてくれたお茶を飲みつつ待ったニーナはロンスマイア家に御厄介になったのだった。
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