第三話 INグレンダン(その1)
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に今度はクララが顔を引きつらせる。何が来るのかわかっている顔だ。
活剄衝剄混合変化、雷迅。
十全の迎撃が間に合わない事を自覚しつつそれでも迎え撃とうとするクララ。
『そこまでです』
念威端子からの制止に互いの錬金鋼が衝突する寸前で止まる。
『流石にこれ以上続けられますと問題が有りますので』
いいところを止められたクララは不満げな表情を見せるが続けられた言葉に止む無く従う。
『本気になられると被害も馬鹿になりませんし……、それに他の天剣の方が参加したがってますので……』
クララが後ろへ下がり、さらには天剣を待機状態へと戻し剣帯に仕舞うのを見るとニーナも同様に錬金鋼を戻す。
「いったいどういうつも「遅い!」……りだ……?」
被せるように言われたことに首をかしげる。
「あれからすぐに来ると思って待っていたのに、全ッ然来ないんですから」
憤るクララに対しニーナも反論する。
「仕方ないだろう、私にだって事情というものがあるんだ。すぐには無理なことぐらいわかるだろう」
「それは理屈では納得してますけどね。待っている側は大変なんですから。その辺りのことも聞かせてもらいますよ」
そう言って踵を返すクララの背中にニーナ以外の声がかけられる。
『クラリーベル様、まだ今日の書類が終わっておりませんが』
それを聞くとピクッ、と止まり頭をかき回し浮かぶ蝶型の念威端子に向かって叫ぶ。
「わかってますよ! ニーナを王宮に連れて行っても構いませんよね」
言葉面だけなら疑問形だがその実決定事項である言い方だ。
その証拠に返事を待つことなく都市の中心にある一際高い建物・王宮へと足を進める。ニーナもそれを追う道中触れたくはないがどうしても気になってしまう疑問をぶつける。
「ところでその恰好は何なんだ、まさかまだやっているのか?」
なぜならクララの服装はかつてツェルニで『紅の闇姫』を名乗っていた時の衣装を更に派手にしたようなものだ。思わずニーナの頬が引きつりそうになる。
「やってません」
が、クララから明確な否定が返ってきたことでホッと安堵の息を漏らす。だがそれが甘かったことを瞬後に思い知る。
「今の私は『紅き堕天使』です」
自信満々な声に愕然とする。更に念威端子からも追い打ちがかかる。
『クラリーベル様に対抗するように天剣のトロイアット様も『白き聖者』と言うのを始めまして、御二人の模擬戦は市民の娯楽の一つになっています』
「……フェ、フェリが知ったらなんと言うだろうな」
かろうじて言葉を絞り出したニーナに対し、クララは気楽に告げる。
「フェリさんなら知ってますよ」
思わず固まってしまうニーナ。
「ニーナより前にグレンダンに来たことがありまして。その時ちょうど見ていきましたよ」
『あれは私も初めての体
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