第三話 INグレンダン(その1)
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炎でできた紅い翼が収縮して天剣に纏わりつき代わりに黒い翼を背部に展開する。剄を爆発させた衝撃を黒い翼で受けとめ爆発的な加速でもってニーナに迫る。
「ニィィィィナァァァァ!」
「クゥゥゥララァァァァ!」
クララがニーナに向けて矢の様に襲いかかる。それに対しニーナは避けるそぶりも見せず腰の剣帯から錬金鋼を引き抜き復元する。それは二振りの鉄鞭となりクララを受け止める。
クララが持つ天剣・胡蝶炎翅剣とニーナの双鉄鞭がぶつかり合い噛み合う。衝撃でニーナの周囲の地面が陥没し胡蝶炎翅剣に込められていた炎が周囲で爆発を起こす。
「一体何のつもりだ?」
「決まっているではありませんか。武芸者が久しぶりに会ったのです、どれだけ強くなったか確かめるんですよ」
至極当然のように答えが返ってくることに変わらないな、とニーナは一瞬苦笑をこぼすもののすぐに表情を引き締める。真剣にならなくては相手できない相手だとわかっているからだ。
鍔迫り合いの状況から先に動いたのはクララだ。大きく後ろに飛び退くのと同時に剄技を発動させる。
外力系衝剄の化錬変化、炎城。
ニーナを中心として炎の壁が周囲に現れる。それはそこにあるだけでなく中心に向けて包囲を縮める。
「まだ行きますよ」
炎の只中にいるニーナには聞こえていないことを承知で続ける。
外力系衝剄の化錬変化、炎壁。
環状だった先程とは異なり単なる炎の壁が二人の間に何枚も立ち上がる。
「もう一つ」
外力系衝剄の化錬変化、焦羽蝶・隼。
複数の焦羽蝶を集め、一羽の鳥を形造る。
『クラリーベル様、やりすぎではありませんか?』
思わずといった感じで傍の念威端子から声がかけられる。が、それに構わず剄技を解き放つ。
「この程度で倒せる相手じゃありませんよ」
炎の壁に向けて飛ぶ鳥が壁に接触する寸前、それを突破してきた何かとぶつかる。
そして次の瞬間には再びクララとニーナが鍔迫り合いで睨み合っていた。
活剄衝剄混合変化、雷迅。
幾枚もの炎の壁や飛んできた焦羽蝶を全て吹き飛ばし一瞬でクララの元まで辿り着いく。ニーナが最も得意とする剄技だ。
「流石ですねニーナ、でもここからどうするんです? 雷迅は使えませんよ」
突進系の剄技である雷迅は相手と接触した状態からでは十分に威力を発揮できない。それを知っているから勢いを削ぐ為に幾つもの剄技をぶつけたのだ。最初に距離をとったのは単純なお遊びだ。
それに対しクララが得意とする化錬剄は動きを必要としないものが多い。再びニーナの周囲に炎の蝶が舞い始める。
「その通りだな、だが私もお前の知っている私のままではないぞ」
スルリと左手の鉄鞭から力を抜くとその流れのまま半回転し裏拳の様に鉄鞭を振る。
「甘いですよ!」
それをダッキング気味に
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