第四章
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店を出る時に見送りを受けた。ラターナとそのショートヘアの女の子がぺこりと頭を下げてだ。そのうえでこう彼等に言ってきたのである。
「行ってらっしゃいませ、御主人様」
「うん、行って来るよ」
津田は満面の笑みでラターナの見送りを受ける。彼は陽気に店を出た。それからだ。
こうだ。共にいるチャーンに対して言った。バリ島の繁華街は陽気に笑う人々が行き来している。
ネオンと熱気、そして酒の香りの中でだ。彼は言うのだった。
「じゃあまた帰ろうか」
「あの店にですね」
「気に入ったよ、いい娘だね」
「気が強そうでもですか」
「あの店チップを出してもいいみたいだしね」
日本ではそうした店は思ったより多くはない。そもそもチップの風習がないのだ。
「だからね。あの娘にね」
「今度はチップもですか」
「出すよ。だからね」
「また行くんですね」
「帰るよ」
完全にだ。メイド喫茶にはまっていた。
「そうするからね」
「やれやれ。言っておきますけれどね」
「何かな」
「津田さんこうした遊びはお好きですよね」
「大好きだよ」
自他共に認める女好きだ。ドスケベという部類の。それならばだった。
「その為に生きていると言ってもいい位だよ」
「なら。あえて言いますけれど」
「向こうも商売だっていうんだね」
「のめり込んでもそういうことですから」
「わかってるよ。ただね」
「あの娘は気に入ったんですね」
「そうだよ。だからまた帰るよ」
全てを割り切っているつもりだった。彼にしても。伊達に遊んできた訳ではない。
だからそのうえでだ。こう言うのだった。
「あの娘とまた遊ぶよ」
「おわかりならいいですけれどね」
チャーンは彼が割り切っているのを見てとりあえずは安心した。しかしだ。
彼は明らかにのめり込んでいた。そのラターナという少女に。そしてだった。
毎日の様に遊び楽しんでいた。確かにチップも弾む。彼は他のそうした店、風俗にも通わずにラターナのところに通い詰めていた。そうして遊んでいた。
そんな彼にだ。いつも同行しているチャーンが言う。今彼等は仕事の中の休みの中で昼食を食べている。インドネシア風のカレーをだ。二人で食べている。
その中でだ。チャーンは彼に言ったのである。
「あのですね」
「メイド喫茶のことかな」
「本当にのめり込み過ぎじゃないんですか?」
「だってあの娘いいからね」
ラターナのことをだ。津田はドスケベの顔で言う。
「おかしなことはしてないしいいじゃない」
「ここでおかしなことしたら大変ですよ」
「そうだね、そういうことはしないから」
「日本人らしいですね」
「日本人
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