暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−−鼠と鴉と撫子と
8,未来を変えろ
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ムを行うようなものなのだ。

それこそ最近はやりのビーターというやつだろう。

「だけど、情報の出処は話せない。アルゴにとっちゃそりゃ死んだ情報も同然だろ」
「どうやって知ったかは教えないけど、ボスの弱点だけ教えるゾーなんて誰も信じないだろうナ」
「私たちの事も全て話して公開すれば問題ないのでは?」

「いや、それはダメ。嫉妬深いネットゲーマーに目をつけられたらそれこそPKの対象になりかねない」
「外部からの救出がないと分かれば、始まりの街の人達は全員自殺しそーなんだよナ」

きっとヤヨイの根は強くて清い。彼女のような人が幽閉されているのならいいが、ネットゲーマー達の大半はどちらかと言えばそのカテゴリじゃない。

特に、解放を願って未だに引きこもる始まりの街の大半の住民は。


ふと、守れなかった彼の最後が目に浮かぶ。キラキラとしたポリゴン片が俺の目の前を通り過ぎた気がした。

俺たちは、全力で救える命を救いたい。その為には、残酷な真実は伏せておいたほうが無難だろう。

「だが、それでは攻略はどうなる?折角の情報なのに活かせないというのか?」

「「う〜〜〜ん」」

俺もアルゴも二人して唸ってしまった。

言い回しをいじれば、皆の未来を変えろってことになる。
しかも周りには起こる未来を教えないで、だ。

よく、アニメやなんかで口に出来ないもどかしさを描いているが、その気持がやっと分かったような気がした。

こういう時、そのアニメではやる方法はたいてい1つ。

「俺らで、ボスを確実に止めるしか無いよなぁ……」
「そうだナ。βテストとの変更点が出た時だけ、フォローが出来ればいいんだが……」

そう言って、断言できない。
きょとんとした顔で、ヤヨイは何を悩んでいるのかが分からないようだ。

「何を迷う?要するに、私達が強くなればいい。違うのか?」

「まあ、なんて言うか、はっきり言うとだな……」

意を決して、俺は白状した。



「俺、ボス戦には一回しか行ったことないんだよ」
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