8,未来を変えろ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とやっていけない。
食べ終わって、アルゴの方を見ると、先程とは打って変わって一点を見つめていた。
驚いたような顔を浮かべ、先程とはあり得ないほど入念に読み込んでいく。
しばらくして、アルゴは顔をあげ、言葉を選ぶように話し始めた。
「クロちゃん、この本は誰にも見せない方がイイかもしれナイ」
辺りを軽く確認してから、ほんの1ページを指す。そこには俺も見たこともない牛型のモンスターが描かれている。
「アステリオス・ザ・トーラスキング、というモンスターだそーダ。これがおととい倒された2層のフロアボスだったんダ」
「っはぁ!!だってベータの時はバロン将軍だっただろ?」
「オイラもクエストでコイツの存在を知った時には驚いたナ。だけど、バロンだけじゃなく、一層のコボルト王も武器が野太刀に変わっていたそーなんだヨネ」
まぁ、オイラの情報も間に合ったしチャクラム使いの奮戦もあって何とか切り抜けたんだけどサ、とフレンチトーストの最後の一切を平らげながらアルゴが事も無げに言ってのけた。
つまり、ことボス戦に関してはもうベータテスターの知識は役に立たないって事か。それは攻略の柱のはずのベータテスターのメリットを完全にぶち壊す変更だな。
これからの攻略プランの変更をシミュレートして俺が唸っていると、
「話を戻すけど、この本は違うんダヨ。全ての情報が正しく乗ってイル。裏は取れないから公開が出来ないのはネックなんだよナ」
「なるほど。ここまでの情報だとさすがにバレそうだな。独占すれば俺は確実に攻略組に追いつけるし…」
「……話が分からないんだが、独占とはどういうことだ?凄い情報なら公開すればいいのでは?」
「500コルでいいゾ?」
ヤヨイが助けを求めてコチラの方を向いてくる。しょうが無いので、情報屋のお株を奪うことにした。
「まず独占ってのは、この本の情報を使えば、素早く穴場の狩場で安全にレベリングができるんだよーー」
攻略組の使う狩場は二種類に分類される。経験値が良い狩場と金回りの良い狩場だ。
前者はリポップが早いとか単体の経験値が高い、戦いやすく倒しやすい狩場で素早いレベリングを安全に行える場所。プレイヤーのレベルが低い時に使われる。
後者はドロップ品やクエストの有無、入手コルの多寡で判断できる。装備の強化が必要なとき・レアドロップを狙うときは主にコチラの出番だ。
攻略組ならこの狩場を行き来して、装備もレベルも揃えることになるが、もしその狩場を全て知っていたら?
いや、未攻略の最前線でいち早く穴場の狩場を独占してしまったら?
誰も持っていないレアドロップをこの情報のお陰でドロップできたら?
情報を持つものは莫大なアドバンテージを持つことになる。
世界で一人だけ、攻略本をもってゲー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ