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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#10
DARK BLUE MOONU〜CRUCIFY MY LOVE〜
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音。
 ソレは彼の左胸、その内側から発せられていた。
「失礼」
 短くそう言って制服の中から、
真新しいディープ・グリーンのスマート・フォンを
取り出した花京院をマージョリーの視線が鋭く穿つ。
(女?)
 という勘(邪推ともいう)により想うよりも先に手が動き、
「え!? あの、ちょっ」
と花京院が声をあげるよりも速く彼の手からスマホを毟り取った美女は、
そのまま相手が誰かも確認せず着信ボタンを押し耳に当てる。
 そして一度優雅に脚を組み替え、どこぞの女帝かと錯覚するような佇まいで
椅子の背もたれにゆっくりとその躰を預け、口を開く。
「ノリアキは、今現在急用で電話に出られません。
最低一週間は間を置き、用件も何もかも忘れた頃にかけ直しやがりなさい。
あ、いっとくけどリダイヤルは無駄よ。アンタの番号着信拒否にしとくから」



「……」
 ソコから、数百メートル離れた海岸前。
 真新しいメタリック・プラチナのスマホを耳に当てた無頼の貴公子が
一方的に切れた電話の通話終了音を聞きながら、
「誰だ? 今の女?」
困惑し切った表情で一人そう呟いた。





【2】

 天上天下傲岸不遜の超絶美女、
フレイムヘイズ “弔詞の詠み手” マージョリー・ドーと
その肩に黒いレザーベルトでブラ下げられた紅世の王
“蹂躙の爪牙” マルコシアスは案内人に(無理矢理)据えた
『スタンド使い』 花京院 典明を付き従え香港の街路を練り歩いていた。
「……」
 先刻まで隣を歩く、キワどいタイトスーツ姿の美女に
イニシアティブを完全に奪われっぱなしだった
翡翠の美男子の風貌は、今は一転。
清廉そのものだが瞳の裡に研ぎ澄まされた怜悧さと、
強い意志の光とを同時に内在している。
 進める歩はまるで軍神のように壮烈としており、
立ち止まれば脇の美女を置いて一人、彼方までも往ってしまいそうだ。
「だからよ、人喰いっつったって別に骨や肉をバリバリ噛み砕いてるワケじゃあねぇ。
“存在の力”っつーこの世に存在するための、大元のエネルギーみてぇなモンを
吸い取ってやがんだよ」
 その彼の隣で自分の腰元で、マルコシアスがこの世に起きている
真 実(ほんとうのこと)』 を揚々と解説している。
「でも本来この世にいねぇ奴らがいて、好き勝手に暴れ回って喰い散らかしてたら
世界の存在そのものが歪んじまうだろ?
だからソレを防ぐために俺みてぇな “王” が
人間の中に入ってこの世を荒らす“徒” を一匹遺らずブッ殺すコトになった。
と、いやぁまぁ聞こえはいいが、なんのこたぁねぇ。
“こっちの世界が滅びちまえばテメーらの世界も危ねぇから” ってんで
重い腰を持ち上げたってのが真相だ。
オメーらの世界の 『
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