十一話:お風呂
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いでもあるので、もういいです。それに不快というわけでも…い、いえ、なんでもありません!」
唸るように警告をするジャンヌ・オルタ。
自分も悪かったと頭を下げ何事か顔を赤らめるジャンヌ。
何はともあれ、これ以上の追撃がないことに安堵の息を吐くぐだ男。
『ありがとう。それじゃあ、これ以上迷惑をかけるわけにもいかないから帰るよ。服とお風呂ありがとう』
「雨は……止んでいますね。もう少し居てくれても良かったのですが仕方ありませんね」
若干残念そうな顔をしてぐだ男を玄関まで案内しようとするジャンヌ。
ジャンヌ・オルタは姉のそんな姿に何かを感じ取った後、小さく鼻を鳴らす。
「……フン」
「どうかしましたか?」
「べつにー、ポチに餌やってくるわ」
不思議そうな顔をするジャンヌを残しジャンヌ・オルタはペットのポチの下に向かって行く。
『ポチ?』
「はい。家のペットのファブニールのポチです」
『そっかー。世界って広いなぁー』
世界には色々なペットを飼う人がいるのだなと白目で考えながら歩くぐだ男。
ジャンヌは何がおかしいのか分からないといった表情ながら黙って彼を案内していく。
「それでは気を付けてくださいね。今度は遊びに来てください」
『うん。ジャンヌも家にいつでも来ていいからね』
「はい、楽しみにしていますね」
靴を履きながらジャンヌと和やかな会話を交わし立ち上がるぐだ男。
そして、晴れやかな気持ちで玄関のドアを開けたところで彼女の父親と鉢合わせる。
「おや、ジャンヌの友達ですか。私はジル・ド・レェ、父親です」
『どうも。ジャンヌの同級生のぐだ男です。彼女にはいつもお世話になっています』
スーツを着込み黒い髪に飛び出しがちな黒い瞳。
一見すると変人奇人に見えそうな顔立ちであるがそこには確かな高貴さが滲み出ていた。
何はともあれジャンヌの父親なので丁寧に挨拶を返すぐだ男。
「そ、そんなことはないですよ。私の方こそいつもぐだ男君にお世話になっています」
「ははは。仲が良い様で何よりです。ただし―――娘に手を出したら命の保証はできませんよ?」
ギョロリとした瞳で笑いながらぐだ男を睨むジル・ド・レェ。
その様子にぐだ男は彼は冗談や酔狂で言っているのではないと悟る。
「な、なに変なことを言っているんですか!? また目潰ししますよ!!」
「おおおッ! ジャンヌゥウウウッ!!」
『潰された後に言われても困るよ、ジャンヌ』
しかしながら、父の言葉に顔を真っ赤にした娘の愛の鞭により一瞬で鎮圧される。
目を潰されたのにも関わらず何故か嬉しそうな声を上げのたうち回るジル・ド・レェ。
その姿に何となく憐れみを感じながらぐ
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