十一話:お風呂
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に彼女はタオルを手にし、雨で濡れ下着が透けて見える姿で挨拶を返す。
どちらも硬直したまま動けない。
『タオルこれでいいのかな?』
「は? い、いいんじゃないかしら」
取り敢えずジャンヌが置いてくれたであろうタオルを取り、前を隠すものを得る。
一方のジャンヌ・オルタは混乱しているのか何も言ってこない。
当然だろう。家に帰ったら赤の他人が風呂から出てきたのだ。訳が分からない。
『それと悪いけど出てくれる?』
「そうね。そうよね、ここにいるのはおかしいわよね―――って!!」
我に返ったジャンヌ・オルタが事態に気づき顔を真っ赤にする。
そして大きく口を開き悲鳴を上げる。
「なんでいるのよ!? このケダモノォオオッ!!」
『ごめんなさいぃいい!!』
手に持っていたタオルや、近くにあった石鹸などを手当たり次第に投げ飛ばすジャンヌ・オルタ。
ぐだ男はどうすることもできずに攻撃を受け止め続ける。
恐らくは彼女はジャンヌから何も知らされていないのだろう。
それ故に彼女からすれば変質者の裸を見せつけられたようなものだ。
対応としては当然のものだろう。そう考えるが痛いものは痛い。
『不可抗力です! 許してください!』
「うるさい! そもそも何であんたが家にいるのよ!?」
『それはおりいった事情が―――』
「何事ですか!?」
高らかに音を立てて扉が開かれる。
それと同時に飛び込んできたジャンヌに跳ね飛ばされぐだ男の頭が洗濯機にぶつかる。
思わず目を回し頭を振るぐだ男にジャンヌが慌てた様子で声をかける。
「すみません、つい勢いで」
―――下着だけを身に着けた状態で。
『…………』
思わず彼女の姿を凝視してしまう。
女性の下着のことなど彼には分らないが色気の少ない白い生地がどうしようもなく目に付く。
特別なものではない、普段着の下着。
だが、彼女の完成されたプロポーションにより引き立てられ危険な美しさを醸し出す。
何より心配そうに覗き込んでくるせいで、柔らかな双丘の谷間が目の前で強烈な存在感を放っている。
『……我が生涯に一片の悔いなし…ガフ』
「き、気絶しないでください! どうしましょう……」
脳の処理限界を超え、満足そうに気絶するぐだ男。
気を失った彼にジャンヌは自分がぶつけたせいで気絶してしまったのだと思いオロオロとする。
一方で、ジャンヌ・オルタはそんな二人の姿を観察しある結論に至る。
「あ、あんた達……まさか―――ヤったの?」
顔をトマトのように赤くしながらジャンヌ・オルタは尋ねる。
下着姿の姉。そして何故か家で風呂に入っていた同級生。
それはつまり情事の後の光景ではないか
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