第十話「立ち向かうために」
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れでだけで...リオンに罪悪感を与えるには充分だった。やろうとしていることはきっとこの健気な少女の目的を阻む。
「どうしたの?」
丸い目が覗き込んで来た。
「ちょっと怖い顔してるけど...」
「…何でもない。それよりもこの間はなしていた事は上手くいったのか?」
そう言って話題を変えることにした。若干不審そうな顔をしたがなのはも乗ってきた。
彼女と話していてしってまず驚いたのが「学校」の大きさだった。教育機関自体は勿論セインガルドにもあったが国民の99パーセントがちゃんと教育を受けると言うのは、よほど統制の取れた国家なのだろうなリオンは思った。実は学校の話は翠屋についで彼女が多く話してくれる事なのだ。それもリオンが関心を示したからなのだろう。実際なのはからアリサとすずかという娘達と友達になったときの話は彼にして珍しく笑ったのだった。
なのはは知るわけもないがシャルティエも彼女が気に入っていた。
話に夢中になっていたが唐突に無機質な時間を告げるアナウンスによって現実に引き戻された。
「あ、もうこんな時間...」
「そうだな。」
少しだけ名残惜しそうな顔をした後紙を一枚取り出した
「それじゃあまた明日来るの。明日はどれがいい?」
すっかりお馴染みになった、翠屋のカタログだった。
なのはが部屋から出て行った後、リオンはいつものようにシャルティエを抜いた。ちなみにただの剣でも質量武器として取り上げる権限があるにはあるらしいが、それをしないのは恐らく晶術について聞きたいからだろうとリオンは考えていた。
「ふう...喋らないでいるのもやっぱり疲れますね...音を消す魔法とか無いんでしょうか?」
「何を言っているんだシャル。それじゃあ僕にも聞こえないだろう、どうやって会話するんだ。」
「む、それもそうですね。じゃあどうしましょう...」
と言ってシャルティエは黙ってしまった。喋ってもいい時にこうして黙り込んでしまうから喋ってはいけないときに喋れないのが苦痛なんじゃないのか、と思ったが口には出さなかった。チン、という澄んだ音を響かせて鞘に納め傍らの本を広げた。
それをちょうど閉じた頃、呼び鈴の音がした。なのはの時と違ってタイミングがいい。つまりリオンに与える感情も逆の可能性があると言うことだが。
(果たして、な)
「リオン・マグナス。」
この声...勿論なのはではない。そしてクロノでもユーノでもない。となると
(来たか)
管理局の法律の穴を縫うように避けてきたリオンだったが、そう何度も使える手である筈が無い。いい加減痺れを切らしてさっきも言ったように質量兵器としてシャルティエを没収する気だろう。今のはそのお使いだ。そこまでの思考を僅か
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