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約1つのラベルと心臓
第n+4話 両手が半生恥は一時
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射んと欲すれば先ず馬を射よってやつかしら」
「それは違うな」
「じゃああれ?弘法筆を選ばず」
「全然関係無ぇな」
「態々遠出して火星まで行ったのに、ちょっとぐらいオマケして振り込みさせてくれてもいいじゃないのよ」
「なんで火星にATMがあんだよ」
「妖怪火星にATM建て男」
「んなやついるかよ」
「妖怪ATMに火星創り男」
「火星2つあるじゃねぇか」
「妖怪火星破壊男」
「1つならいいって問題じゃねえよ」
「妖怪髪の毛を火星の分身にする系男」
「だから数の問題じゃねぇっつうの」
「さぁさ、与太話はこれぐらいにして」
 美都子はさかばーもを抱えたままスッと立ち上がった。
「散歩しなくちゃ。ばも君にとって1秒は約496エチニンなんだから」
「……もしかして、単位をこの世界のに直しただけか?」
「それが大切なのよ」


「だーぐーだーぐー」
 照りつける日差しも構えないのか、さかばーもはハイハイで力強く進んでいく。
「早いわねぇばも君。この調子なら地球の引力と力比べしても勝てるんじゃないかしら」
「適当なこと言ってんじゃねぇぞ」
 夏雄と美都子は、その後ろをゆっくりと着いていっている。
「よくあることよ。親馬鹿ってやつ?」
「親じゃねぇだろ」
「ばも君預かったし親同然よ。2000番目ぐらいの親ね」
「間に誰が入るんだよ」
「高原から見上げる空」
「物ですらねぇのか」
「だー……」
 ふと、さかばーもがふとその場で止まった。
「ん?どうしたのばも君」
「ぱうぐー」
 さかばーもが凝視しているのは、ミミズだった。それはコンクリートが日差しのを反射する中うねうねと必死そうに動いている。
「ん?どうしたんだ?」
「龍は学習に長けた種族よ。ミミズの動きから東洋式の竜を想起して、対抗意識を燃や」
「あー」
 ぱくり。
「食った!」
「あら」
 夏雄と美都子が各々反応している間に、さかばーもは咀嚼をするとあっさりミミズを飲み込んだ。
「ちょ、ちょっと。待て!待て。どうすんだ!?」
「お腹空いてたのかしら。ちょっとご飯作ろっと」
「いやそれもあるけど!食っていいのか?」
「ミミズ?単純に落ちてる物だから汚いけどミミズは別に問題無いわ」
 そう言いながらさっさとお粥を完成させた美都子はスプーンでさかばーもに食べさせてやった。
「手際いいな」
「まぁね。私も小さい子の世話したことあるし」
「へぇ。きょうだいとかいるのか?」
「私自身のお世話をちょっと」
「お世話って言わねぇ」
「1人で家族ごっこしたこともあるし。一番頑張ったのでは1人9役してたこともあるわ。その時は私が変な物口に入れないように私が見張ってたりしてたわ」
「さかばーもは変な物口に入れてたけどな」
「だって私龍
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