暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
幻想天舞(1) 〜天翔けし白翼〜
[7/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
いえない状況にあった。
「ぐ……ふっ……!!」
至近にて旋回する天馬の突進の余波を受け、それにより生じた魔力流と風圧だけで校舎へと叩きつけられた。
このとき運が良かったと言うべきか、幸いだった事が幾つかあった。
宝剣の加護故か、最悪でも受身の姿勢を取れたこと。壁ではなく窓を突き破る形で、校舎内へと弾き飛ばされたこと。
そして窓を突き破った先でも教室の扉が僅かながら緩衝材となり、そのまま教室の中へと投げ出される形で最小限のダメージで済んだことだった。
それでも被ったダメージは軽視できないが、五体満足でありまだ動ける状態で居られたのは僥倖だ。
本来であれば直撃を避けたところで天馬が纏う
魔力
(
ひかり
)
によって蒸発するか、校舎壁に激突して潰れる…………最低でも、内臓破裂程度の損傷は受けたはずだ。
まだ運はオレを見放していない。
少なくとも、勝負の天秤はその勝敗の行方を未だ揺らしている。
だったら──────
「立って…………戦わなきゃ、いけないだろ…………」
手にはちゃんと、彼女の宝具が握り締められている。
意識ごと消し飛びそうな状態にあっても剣を手放さなかったのは、無意識にでも戦う意思を捨てていなかったからだと信じる。
剣を床に突き立て、支えにして立ち上がる。
ダメージは抜けていないが、今すぐに動けないことはない。
魔術刻印から肉体強化、損傷補填の補助魔術を起動し、無理やり動ける状態までに身体を取り繕う。
そろそろ身体のダメージを誤魔化すのも限界だ。
魔術効果も無限ではない。効力が切れかける度に再度掛け直してはいるが、無を有には出来ないように、即時回復や永続補填は不可能なのだ。
次に決殺を図るときこそ、勝負の決着の時だ。
けれど、今の状況で有効な策はあるか?
クラウ・ソナスに及ばないとはいえ、タスラムも直撃させれば勝負を覆す威力はある。
しかし一度対象を貫いた魔丸は追尾特性を発揮できず、直線上を飛ぶ弾丸にしかならない。
近接武器ではあるが真名開放を視野に入れれば、クラウ・ソナスでも天上の敵を切り裂くことは出来るだろう。
しかし肝心の宝具はオレの手元にあり、これの使用を考えるならば問題点はまずフェンサーに渡すところからだ。
校舎からフェンサーが吹き飛ばされた位置までは、軽く見積もっても数十メートルは離れている。
遮蔽物のない地上から天空までを自由に行き来するライダーが居る以上合流など出来るはずもなく、剣を投げ渡すなんてのも現実的ではない。
フェンサーに校舎内まで来てもらう手も無くはない。
だが現状獲物が分断されているからこそ、オレを消し損ねたまま標的がフェンサーへと移ってい
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ