107話 狂乱
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ェンがこんなに……」
グラッドさんを伴って外にリレミトしたはいいけれど、そこには大群の狼が待ち構えていて、真っ先に突っ込んだトウカなんか既に五匹いっぺんに対峙することになっている。かくいう僕も三匹にはマークされてて薙ぎ払っても薙ぎ払っても次々と新たなダークウルフェンが迫ってくる。
ゼシカが炸裂させたべギラゴンはあまり効いていないのか、それとも新手がどんどん襲ってくるから効いてても大した問題じゃないのか。どちらにせよ襲い来る数は尋常じゃない。
ヤンガスが斧無双でいっぺんに二十匹ぐらい吹っ飛ばし、剣撃じゃ追いつかないとばかりにトウカが真空波で切り刻む。これで僕らを襲っていたやつらは全部無残な姿で青い光となって消えたのに、すぐにゼシカがイオナズンを唱えなきゃいけないぐらい沸いてくる。どこからともなく。
舌打ちしたククールが前へ前へと飛び出そうとするトウカとヤンガスを引っ掴んで引き止めると……。
「ザラキ」
一言の呪文で全部倒してくれたのだけど。その全部、はまた襲ってた敵だけで次から次へと沸いてくる敵は普通にピンピンしてて……きりがないってこのことかな!僕がライデインを打とうが、とうとう視線で焼き払い始めたククールが……かなりビジュアルは笑いそうになるから今まで使わなかったんだろうけど……群れごと麻痺させようが関係ないと、仲間を踏みつけ次々に……。狂ってる、なにかに操られているみたいだ。
魔物だって生き物だから、そういう明らかにおかしい事はしてこなかったのに。……してこなかったっけ。してたとしても今回は、それでも変だ。
グラッドさんが襲われているのに気づけばトウカは彼を庇って立ちはだかり、五回も群れに何かを投げつける。一瞬間を置いて起こる大爆発……爆弾岩の欠片か。一発一発はイオラだろうけど五回も受ければその辺はクレーターみたいになって、無残。でも倒すのにはちょうど良かったみたいで、ノーマークになった彼を置いてトウカは今度は陛下を守った。馬車に飛びつこうとしたやつらを引き剥がして真っ二つに叩き斬り、白い雪はもはやダークウルフェンや僕らの真っ赤に染まっていた。
かくいう僕も槍に限界を感じてもっぱら遠ざけるだけに使い、範囲の広いライデインばかり打っているし。一匹二匹倒したって仕方ないぐらいの、数だから。
「きりがないぞ!エルト、ルーラで飛ぶか?!」
「みんな離れすぎてる!誰か置いてっちゃうよ!」
「クソッ!」
だからといって近づけといけないのが困ったところなんだ。今だって僕とククールは叫ばなきゃ戦闘にまぎれて声が聞こえないぐらいだったから。
とうとうゼシカが魔力切れを起こして短剣をとる。荷物から出来る限り出していた魔法の聖水がなくなったのか……まずい。一番魔力が切れた危ないクク
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