黒の剣士との戦闘
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
仕掛けてくるか分からない以上、レイトの一挙手一投足を見逃さないように目を凝らしていたつもりだった。しかし、開始直後にレイトの姿が消え、それと同時に発砲音と共に俺の体力が削れる。
上下・・・下から何か来る!?そう気づいたときにはもうレイトは急接近していた。そこで俺は今までに何があったのかを理解した。これは一筋縄じゃいかないな・・・。
「せぇぇぇぇい!」
もう回避不可能な距離からの切り上げ。片方の長剣で迎撃されるものの、体全体を使った一閃はキリトを押し戻すことに成功した。
先手は取れた、このまま押し込む!
開始直後、俺は隠蔽スキルを発動。どんなに索敵スキルが高くても、突然使われれば一瞬、俺の姿は相手から消える。その後、双銃を腰に仕舞いながら体術スキル《スライディング》を使い、その名の通り体制を低くしながらシステムによるブーストを受け、スライディングする。これでキリトからは消えたと思い込ませ、そしてアイテム欄から狙撃銃、クリムゾンフレアをオブジェクト化し狙撃。すぐにクリムゾンフレアを投げ捨て、双銃を再び抜いた時にはもうキリトのすぐそばまで接近している。そのまま、切り上げてこちらに有利な体制を作る。
「ああもう、シリカが言わなきゃ終わってただろうに・・・」
「ほんと、お前の彼女のおかげだな」
今の一連の動作で削れたのは全体のHPの3割。最後の切り上げが決まっていれば勝っていたのに。まったく、どっちの味方なんだよシリカ。
これで、隠蔽スライディング不意打ちは使ってしまった。あと、打てる手は・・・・。
「いきなり、近接戦闘に持ち込むとは思わなかったぞ?銃だからてっきり遠距離から撃ってくるもんだと思ってたんだけどな」
「思いっきり壊してる俺が言うのもなんだが、あくまでもこの世界は《剣がプレイヤーを象徴する世界》だからな。それにこの双銃じゃ、弾もそこまで飛ばないし、正確な狙いも付けられない。一応、近接戦闘用の銃だぜ?」
言い終わる前に動き出す。再びスライディングを使い、キリトに急接近する。余談だが、体術スキルは銃衝術と相性がいい。体術スキルは攻撃、だけではなくスライディングのようにプレイヤーの移動や行動を補助するものが多く、ほかのスキルと組み合わせて使うことができるからだ。実際、体術スキルはほかの戦闘スキルとも相性がいいのだが。
相手の得物の射程に入る直前でスキルを中断し、キリトの真上に向かって跳躍。ほとんど敏捷力にパラメータを振っているため、そこまで高くは飛べないが、今回は特に問題ない。キリトのちょうど真上に来た時に引き金を引き、銃弾をばらまく。開始直後と今ので、下から攻めるという事を印象づけ、それを裏切って上から攻める。さらにさっきの会話で間接攻撃は無いと思い込ませ、間接攻撃で一気に削り取る。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ