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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―HERO―
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んできて、その時は変なデッキだったんだけどさ。今度は、きちんとしたデッキを持ってきてデュエルしろって言ってきて……」

 十代の拙い説明で分かったことは、残念ながら俺には十代も、前にエドの変なデッキとデュエルを頼まれただけだということだった。
今度はもう一人、エドの方へ向き直る。

「エド。お前は俺たちとデュエルをして何がしたいんだ? 何の目的がある?」

 十代とは対照的に、面倒くさそうにかつ、慇懃無礼にエドは答えてきた。

「答える必要はあるのか……と、言いたいところだが、まあいい……ある人の命令でね」

 ある人の命令。
まだ質問の答えとしては不明瞭だが、それ以上のことは、エドは言う気は無いようだ。

 ……まだ、この新進気鋭のプロデュエリストの目的は分からない。
だが、デュエリストとしてデュエルを挑まれた時、俺も十代もとるべき行動は決まっている。
……すなわち、デュエルだと。

「なんだか良くわかんねぇけど、デュエルするなら受けて立つぜ!」

「僕は最初からそう言っている……そこのそいつが、横からしゃしゃり出てきただけだ」

 両者共に、エドの言うそこのそいつ――つまり俺だが――に中断されていたデュエルディスクを展開し、準備が完了する。

『デュエル!!』

十代LP4000
エドLP4000

「僕の先攻。ドロー」

 どうやら先攻と表示されたのはエドのようで、エドが先にカードをドローする。
この前はグレート・モスを主軸にしたビートダウンデッキだったが、あれがエドの本来のデッキというわけではない。
プロリーグにおいても、エドはファンから募集したデッキを使用して勝利を収めていて、本来のデッキではなかった。
さあ、今日はどんなデッキだ……?

「僕は《E・HERO クレイマン》を守備表示で召喚!」

E・HERO クレイマン
ATK800
DEF2000

「HEROだって!?」

 自身もE・HERO使いである十代が、俺より先に驚きの声を上げる。
別にE・HEROは、どこかの青眼と違って一般流通されているため、ミラーマッチになってもまったく不思議ではないのだが、いきなり自分のデッキと同じデッキとデュエルすることになったら、驚くことになるだろう。
……だろう、というのは、俺がまだミラーマッチを経験したことが無いからだが……

「僕のHEROたちを、お前のようなお気楽なHEROたちと一緒にしないで欲しいね……カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「お気楽?」

 エドの鼻で笑った感じを含めた言葉に、十代は自身のHEROたちを馬鹿にされたようで不快感を露わにした。

「だったら、どっちが真のHERO使いかデュエルで決着だ! 俺のターン! ドロー!」

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