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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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フ、フ、フ……やはり、このまま……潔く……焼け死ぬコトにしよう……
ソレが……貴公との戦いに敗れた……オレの……貴公に対するせめても礼儀……
自害……する……のは……無……礼……だ……な……」
僅かに残る力でアラストールへの敬意をそう示し、
そして最後の苦悶からの救いである短剣を地に落とす。
 その澄んだ金属音が周囲に鳴り響いた時。
「……」
 一瞬の間も於かずに、生きたまま焚焼されていくポルナレフの傍らに、
少女の姿をした紅世の王が佇んでいた。
 その両手には、先刻の極絶焔儀とは対極の、
神聖なる煌めきを靡かせる灼光が既に宿っており、
ソレが戦いに敗れた者を包み込むように、苦悶に喘ぐ者を労るように、
優しくそっと包み込む。
 ヴァジュオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ……
「フッ……」
 慈悲という想念がそのまま音韻となったような、
清浄な響きを靡かせて立ち消えていく焔を遠間から見据えながら、
無頼の貴公子の口唇に笑みが刻まれる。
「あくまでも、騎士道とやらの礼を失せぬ者……
しかも我の背後から短剣を投げなかった……
彼の者 『幽血の統世王』 からの命すらも上回る、高貴なる精神……」
 そう言ってアラストールは、雄々しく梳き上げたJ・P・ポルナレフの前髪を
指先でそっと捲りあげ、その内部で蠢く肉の芽を剥き出しにする。
「討滅するには惜しい……何か、(ゆえ)在ってのコトだな……」
 そう言って双眸を閉じる紅世の王の傍らで、
「出番か?」
いつの間か傍に来ていた承太郎が、ポルナレフの脳に撃ち込まれた
肉の芽を見据えながらアラストールに問う。
「否、良い。我がやろう……」
 少女の姿をした王は少女の声のままで、その肉の芽にスッと手を差し出し、
ソレが埋め込まれた数pほどの距離で自在法を練り、
やがて不可思議な紋字と共に空間に沁み出る灼紅の光を、
標的に向けて照射する。
「UU……GYY……GIGIGIGIGIGIGIGIGI……」
 肉の芽は、己を摘出しようとする力に狂暴な防衛本能で抗おうとするが、
やがてソレはアラストールの放つ静謐な光によって全体の自由を奪われ、
微かな抵抗も奇声すらをあげるコトも出来ずに力を失っていく。
「……」
 やがてアラストールが、静謐な光に包まれた手をゆっくりと己の内に引くと、
ソレに連動して肉の芽本体も寄生するスタンド使いの頭部から離れていく。
 そのままポルナレフの脳内に突き挿っていた触針が完全に生体から抜け出ると一転、
アラストールは拍 節 器(メトロノーム)のような鋭い反動で指先を薙ぎ、
空間を削るようにして指先の上に移動してきた肉の芽に向けて
その先端を一度だけ弾く。
 ヴォッッッッ!!!!
 ただソレだけの行為で、
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