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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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しソレはその最大の効果を発揮する前に、
ほんの数分前の光景を再現(トレース)するように、
白銀の燐光で包まれた細剣(サーベル)を縦横無尽に(ふる)うスタンドの騎士団に
総数100を超える紅蓮の破片へとバラバラに斬攪され、
空を引き割く閃撃によって発生した周囲を取り巻く真空の渦に、
ソレ以上微動だにするコトも出来ず空間へと拘束される。 
 再び、アラストールの刳り出した極限レベルの焔儀を完璧に制した
白銀の 『スタンド使い』 は、炎を携えたまま数体に分身、否、数十体に増殖して
感覚へと映るスタンドの騎士団を背景に、
最大限の敬意を込め母国の言葉にて哀別を贈る。
Au revoir(オ・ルヴォワール)……
アラストール殿……良き戦い、良き相手であった……」
 そして。
 斬り刻まれた夥しい数の炎の破片を旋風斬撃でスベテ弾き返すと同時に、
スタンドの騎士団スベテにも一斉突撃を掛ける命令を下す為、
その右手を高々と頭上に掲げる。
 だが、次の刹那。
「フ、フ、フ」
 絶望的な状況下に在ると想われた眼前の美少女が、
突如勝ち誇ったかのように、微笑った。
「な、何がおかしいッ!?」
 少女の姿をした王の行為を、己が勝利に対する侮辱だと受け取った青年は
雄々しく梳き上げたその鬣を張り裂くようにして叫ぶ。
 その問いに対しアラストールはその双眸を閉じたまま、
100を超える紅蓮の炎塊を前にして尚、悠然とした声で告げる。
「否、失礼。まさかこれまでも完殺するとは……
そのような者等今までのどの紅世の徒の中にも、
そして王の中にもいなかったのでな。
貴殿ほどの遣い手ならよもやとも想ったが、
ソレがいざ現実となると返って笑いが出るというもの。
御無礼の断、赦されよ、ポルナレフ卿。フ、フ、フ」
 少女の声で緩やかにそう微笑いながら、
千切れた竜衣を破滅の炎風に靡かせ、
深遠なる紅世の王はゆっくりとその双眸を開く。
「!!」
 その瞳の裡に宿りし真紅の炎を、更に激しく燃え滾らせながら。
 そして王は、己が宿敵に告げるべき最後の言葉を、本当に静かに紡ぎ出す。
「万雷に尽きぬ礼賛を、貴殿に送る。良き御業、良き御剣。
紅世の王としての宿命(さだめ)に存在する者として、
これ以上のない本懐であったぞ……」
「……ッ!」 
 心なしか愁いを滲ませて届く少女の透明な声に、
さしも白銀の騎士も言葉を失う。
 これは、散り逝く者の最後の餞なのか。
 ならば死力を尽くして闘った者として、
ソレを聞き届ける事こそが彼に対する最後の礼儀。
 しかし。
「まさか我に、“コレ” をも遣わせるとはな……ッ!」
 先刻の儚げな雰囲気から一転、
熾烈なる紅蓮の炎気がアラストールの躰から迸った瞬間、
いつ
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