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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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面に大穴を開けるだけだ。大地には 「敬意」 を払わねばな?
フフフフフフフフフ……」
 微笑と共にJ・P・ポルナレフがそう言った刹那。
「――ッッ!!」
 突如、躰を覆っていた竜鱗の黒衣その右腕部が胸の部分まで裂け、
余波でその内部のセーラー服にも欠刻が幾つも走り、
千切れた黒衣と制服の生地を散らしながら少女の白い肌を空間に晒す。
「アラストールッ!」
 予測もしなかった盟友の窮地に、ジョセフは咄嗟にその傍に駆け寄ろうとする。
 しかしその脚は彼自らの孫の手によって止められた。
「まて、ジジイ」
「し、しかし!」
 肩を掴まれ振り向き様に己をみる祖父に承太郎は、
「ただの威嚇だ」
怜悧な視線で眼前を見据えながら、ただ一言そう漏らした。
「……」
 そしてそのコトは、当事者であるアラストールが他の誰よりもよく解っていた。
「むう……なんという正確さ、存外に研鑽を積んだ 『能力(チカラ)』 のようだな」
 その黒衣が千切れ飛んだ瞬間にも瞳を閉じなかったアラストールは、
微塵の揺らぎもなき強靭な精神にて己が状況を分析する。
「ふむ……故在って、10年近く修行をした」
 眼前に屹立するスタンド使いは同じく揺らぎのない風貌でそう返す。
(しかも今の刹那に我を斬り刻むのは可能だったのにも関わらず、
この子の肌には微塵も剣先が触れていない。
あくまで騎士道精神とやらに則り、礼を失せぬか……)
 右半分が完全に開き、今はその白い少女の肌を戦場の風に晒す紅世の王は
厳かな敬意と共に心中でそう呟く。
「さあ、いざ参られよ。次の一合にて、この戦いの決着としよう」
 アラストールの瞳に怖れがないコトを確認したJ・P・ポルナレフは、
ゆっくりと己の背後に脱鎧したスタンドを出現させ
その躯を大きく開いて構える。
「うむ。ならば我も、これから刳り出す焔儀の本質を明かしてから戦いに挑むとしようか」
「ほう?」
 既に臨戦態勢に入っていた白銀のスタンド使いは、
その構えを崩さぬままアラストールに応じる。
「先刻貴殿を追いつめた我の “炎劾劫煉弾” だが……」
 そう言って眼前に構えたアラストールの右手の指先に、三度紅蓮の炎が順に灯る。
「実は片手だけではでなく “両手で” 出せる」
 少女の声でそう言葉を紡ぐ左の指先スベテに、右と同様の炎が連なるように灯る。
「コレによって威力は倍、否、“誘爆” の奏効によりソノ比ではない」
 そう告げながら両手に灯った爆炎の灯火を、哀悼のように掲げる紅世の王。
「おもしろい……ッ!」
 その明かされた驚愕に対し怯むどころか、逆に先刻以上の闘気を
スタンドと共に漲らせる白銀の騎士。
「……」
「……」
 最早、言葉はいらない。
 ここから先は、対峙する者以外何人た
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