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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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賢者さえも下僕に跪かせるDIOの呪縛の元凶は、
一瞬の内に紅蓮の焔に包まれ、後は音もなく焼け落ちていった。
「この者も、また我等と同じ “宿業” を背負う者。
今日、此処で邂逅したのも、
“また定められたコト” で在ったのやもしれぬな」
 吹き抜ける海風に神聖な髪と竜衣を揺らしながら、
深遠なる紅世の王は誰に言うでもなくそう一人語る。
 そのすぐ脇で、
「……と、まぁ、でもコレで肉の芽がなくなって、
『にくめないヤツ』 になったワケじゃな! ジャンジャンッ!」
 ヒヒ、と笑いながら、炎傷だらけのポルナレフの躯をそっと抱き起こす
ジョセフに対し、
「アラストール、それに花京院、オメーらこーゆーくだらねーダジャレ言うヤツって、
無性に腹立ってこねーか?」 
その孫は冷めた視線で言う。
「ハハッ……」
「フッ……」
 問われた二人は、爽やかな笑みと穏やかな微笑でそれぞれ応じる。
「に、してもよ」
 戦闘が終了を告げ、やや弛緩した雰囲気の中、
無頼の貴公子が少女の姿をした王に再び問う。
「圧倒的だったな。只者じゃあねーとは想っていたが、まさかアレ程とはよ。
これから先の敵、全部アンタがヤっちまってもいーんじゃねーのか?」
 冗談半分、本音が半分で己に言う無頼の貴公子に対し炎の魔神は、
「それは出来ぬ……」
と、厳しさを含んだ声で言う。
「コレは、フレイムヘイズの “王” の中でも、
限られた者しか遣うコトを赦されぬ 『禁儀』
その威力(チカラ)が測り知れぬが故に、その “代償” もまた大きい。 
『この世ならざる王が』 “この世の存在である人間” を支配して
無理矢理その力を行使するが故に、必要以上にこの子の躰を酷使し、
その精神も我がモノとする為最悪の場合は、
この子の心が我の存在に呑みこまれ消滅してしまうコトさえ在り得るのだ。
元は、邪悪な紅世の王が討滅に対する防護策として、
人間を身代わりにする事に端を発した “外法” 故にな」
「!!」
 強大な能力(チカラ)には、ソレに比例してリスクが付きまとうコトは理解していたが、
まさかソレほどの代償だったとは、知らぬコトとは軽口混じりにそんな事言ってしまった
己を承太郎は戒める。
 そこ、に。
「よい」
 いつもの少女の姿のまま、いつものアラストールが青年に告げた。
「我等二人とも、スベテ了承して行ったコト。
貴様への “借り” は、これで返したぞ」
 そう言われ反射的に承太郎は、包帯の巻かれた己の左手を凝視する。
「……」
 ああ、そんなコトもあったな、と想った。
 今の今まですっかり忘れていたのだが。
「意外と細けーヤツだな」
 別段何も気にするでなく、そもそも借りだなんだと小難しく考えるのが嫌いな為
適当に
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