暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十九話 第三次ティアマト会戦の始まりです。
[1/10]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
帝国歴486年2月3日――。
第三次ティアマト会戦に先立ち、総司令官であるメルカッツ提督はラインハルト、イルーナ、そしてそれぞれの幕僚、分艦隊司令官らを旗艦に招いて会議を行った。彼はまず自らの思うところを端的に述べ、それに伴う戦術を簡潔かつ分かりやすく述べたのちに、出席者の意見を仰ぐ。単純なやり方だが、それだけに無駄というものがなく、だらだらと時間をつぶすことはなかった。
「敵の総数は48000隻であるが、敵のうち1個艦隊が4光秒ほど突出し、1個艦隊が3光秒離れた地点に布陣している。残りの2個艦隊は後方に布陣してわが方の動向を見定めておる。」
メルカッツ提督は静かに出席者を見まわした。
「そこで、まずはこの突出した艦隊を全戦力をもって叩き、速やかに60光秒後退して敵の出方をうかがうこととする。」
かつてのラインハルトであれば、第十一艦隊を撃破した後に、包囲体制を構築させ、他の艦隊を撃破する策を提案しているだろうが、今回の彼はメルカッツ提督の意見に全面的に賛同していた。第十三艦隊という不確定要素については、本隊と3光秒離れた地点に「遊弋」しているのだが、それよりも前面に別の艦隊が出てきたとあっては、まずそれを叩くのがセオリーだろうとも思っていた。
「今回の戦いでは、全面的に勝つ必要はなく、速やかにある程度の勝利をつかんだら、さっさと後退をする。」
というのが、ラインハルトたちの基本方針であった。ここで敵を殲滅しても、意味がない。同盟軍にはラインハルトが元帥になるまでは有力な敵であってほしい。ラインハルトが大将になるほどの功績をあげられれば、いいのだから。また、そもそも論として自軍よりも数において優っている敵軍に対し、全面的な勝利が手づかみで取れるほど甘くはないという事はラインハルトもイルーナもよく承知しているところであった。
それにもう一つ、今回のティアマト会戦では、敵に後ろから狙い撃ちされる危険性が浮上している。あまり勝利に拘泥するあまり、背後をおろそかにすることはできない。
ラインハルトたちとしては、今回は大兵力を持つ敵を前面に、そしていつ襲ってくるかもわからない暗殺者を後方に、という厳しい戦いに直面することになりそうだった。
その対暗殺者についてであるが、イルーナとアレーナは相談した結果、アリシア・フォン・ファーレンハイト少佐をラインハルトとキルヒアイスの直接の護衛役として旗艦に同乗させることにした。アレーナにあっさり敗れたとはいえ、前世におけるアリシアもまた優れた騎士である。並の暗殺者など片手で倒せる力量は持っている。できれば分艦隊司令官の一人くらいは、対ラインハルト暗殺艦の存在を監視させる役割を担わせたかったのだが、適任がいなかった。ラインハルトの腹心ばかりが分艦隊司令官にいるとはいえ、油断は禁物である。
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ