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SECOND
第一部
第一章
第五話『特別な魔法少女』
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むしろ逆効果だ。
麗子 「あなたも物質的豊かさだけが人の幸せだと考えているのですね。それは確かに私には貧しさの経験は無いけれど…でも言わせて貰えれば、私の見る限り魔法少女の生活レベルは低くはありませんわ。あれ位ならやっていく自信は御座いましてよ。」
 キュゥべえは争点のズレを感じた。
麗子 「とにかく、何か別のお願をすればいいんでしょ。」
 キュゥべえはそういう事じゃないんだけどなぁ≠ニ思った。そしてさっさと麗子の記憶を消してしまおうとした、その時。
麗子 「私は特別になりたい。特別な存在、特別な魔法少女になりたい。」
 と、麗子は願いを言った。心の奥底から願った。願ってしまった。
 キュゥべえはそれはさっきの願いとあんまり変わってないし、第一君はすでに特別な存在なんだけどなぁ≠ニ思ったが、インキュベーターの性で願いを聞き入れざるを得なかった。
 そして麗子は一通り悶絶し終えると、キュゥべえに質問して来た。
麗子 「これで私は魔法少女になれたのかしら?」
キュゥべえ「うん、もう君は魔法少女さ。」
麗子 「そう…ところでお聞きしたいのだけれど、消した記憶を元に戻す事は出来まして?」
キュゥべえ「出来るよ。記憶は消すっていうより、蓋をして閉じ込めてしまうって感じだからね。」
麗子 「そう…」
 少考してから麗子は、キュゥべえに早速の要求をして来た。
麗子 「キュゥべえさん、この家から私に関する記憶と私がいた痕跡を全て消して。それから私は一人暮らしを今日から始めるので、お部屋の用意をしておいて下さるかしら?」
 キュゥべえの尻尾がだらりと下がった。
キュゥべえ「…うん、出来る限りにやっておくよ…」

  ?

 麗子はウキウキとしながら登校していた。今までの人生でこんなにも高揚感を感じたことなど無かった。麗子はマミを見つけると駆け寄って行った。
麗子 「お早う御座います、巴さん。」
マミ 「あら、日富さん。お早う御座います。」
麗子 「私、あなたにとても重大な事を、お伝えしなければなりませんの。」
マミ 「…そう、何かしら?」
 マミには判っていた、麗子が50m以内に入って来た頃に。
 麗子は軽く周りに目配せをしてから、声を忍ばせて言った。
麗子 「実は私、魔法少女になりましたの。」
 マミは一瞬目を伏せた。しかしすぐに笑顔を作って答えた。
マミ 「そう。では今日から人類の為に一緒に頑張りましょうね。」
麗子 「ええ、勿論ですわ。」
 人類の為と言う大仰な使命感と、一緒にと言う連帯感は、麗子をこの上も無く歓喜させた。そしてこの瞬間こそが麗子の人生に於ける頂点となった。
麗子 「ところで私、早速一人暮らしを始める事にしましたの。お部屋の方もキュゥべえさんに手配して頂ける事になっておりますので、
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