第一部
第一章
第二話『人魚姫なんて大嫌いなのに・・・』
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か、かなり危ないわね…」
だが、そんな二人をよそに、さやかは次々と魔獣を倒して行った。感情の高ぶりは魔法少女の出力を一時的に上げる。が、それが個人の持つ魔力の絶対量を変える訳ではない。だからそれは、限られたエネルギーを大量に消費してしまうようなものだった。
公園にやって来た杏子は、すぐに他の魔法少女が魔獣空間で戦っている事に気付いた。早速に自身も魔法少女となり、魔獣空間の中に飛び込んだ。杏子が魔獣空間に入ると、すでに主戦場は遠く離れていた。急いで杏子はその場に向かって行く。
ほむらとマミは頻出する魔獣達に遮られ、さやかに近付く事が出来ないでいた。それでもさやかは力強く魔獣を撃破し続けていた。マミが杏子の接近に気付く。
マミ 「ほむら、杏子が来てくれたみたい。」
ほむら「杏子が、そう…」
ほむらは楽観した。魔獣の襲来も峠を越えていたし、まださやかには余力があるように見えていたからだ。ここへ来て、更に杏子の加勢が期待出来るのであれば、何とかこの難局を乗り切れそうな気がしていた。
しかしその時、そのほむらの楽観を吹き飛ばすものが現れた。滅多に見ないような巨大魔獣が、さやかのいる方に現れたのだ。
ほむら「マミ!」
マミ 「あれは…マズイわね…」
それでもその魔獣を見てさやかがこちら側に逃げて来てくれれば何とかなった。杏子とも合流出来れば何とでもなったのだ。だが、今のさやかに逃げるという選択肢は無かった。
さやか「こん畜生が!ウオー!」
さやかは鬨の声を上げ、その巨大魔獣に向かって行った。高い塔を蹴り、魔獣の体も足場にし、巨大魔獣の顔面まで達すると、さやかは叫び声と共に渾身の一撃を放った。
さやか「ホーリースティング!」
激しい閃光と共に魔獣の頭部は打ち砕かれ、その巨体がゆっくりと崩れ落ちて行く。
杏子 「さやかー!」
ほむらとマミの間を、杏子が凄まじい勢いで通り抜け、さやかの許へと飛んで行った。ほむらとマミが魔獣の残党を叩きつつ、その場所へと行き着くとさやかはおらず、杏子がさやかの物と思しき黄色いヘヤピンを拾い上げていた。拾い上げたヘヤピンを握り締め、杏子は目を閉じてポソリといった。
杏子 「さやか…」
そしてその光景を見たほむらは、さやかが円環の理に導かれて消えてしまった事を確信し、それを防げなかった事をまどかに申し訳ないと思って言葉を漏らした。
ほむら「まどか…」
ほむらの呟きを聞き、またもほむらの口から出たまどかと言う名前に、疑問を持ったマミがほむらの方を向いて尋ねた。
マミ 「まどかって…誰?」
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