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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
2人の出会い
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なしで狩りを続けられる。
しかし、それはあくまで可能というだけの話だ。
ステップによる回避は失敗すれば相手の攻撃をもろにくらうことになる。何度か失敗したことがあるが、ろくにガードもできず、クリティカルヒットをもらってしまうことが多く、HPバーが大幅に削られてしまう。
睡眠は安全地帯で取っているが、モンスターの叫び声がすぐ隣のフィールドから常に聞こえてくるのだ。とてもではないが、長時間の睡眠ができる場所ではない。殆どのプレイヤーは小休憩で利用するだけだ。アスカも2、3時間しか寝ていない。

「無茶でいいんだよ。俺はただ目の前のモンスターを狩り尽くす。そのためだけにここにいるんだから」

そろそろ、モンスターが再度沸いてくる時間だ。
アスカは黒ずくめがそれ以上何も言わないうちに立ち上がる。
そのまま更なるダンジョンの奥地へと足を進めようとする。

「そんな無茶な戦い方してたら死ぬよ・・・」

背後から声を掛けられるが、アスカは首だけ後ろに向ける。
死ぬ,という単語に,感情の蓋が開いてしまう。

「いいんだよ、たとえ死んでも。クリア第百層?そんなことできるわけないだろ。第一層すら突破できずに2000人のプレイヤーが殺された。このデスゲームはクリア不可能だ。死んだとしても・・・早いか遅いかだけ・・・・それだけの違いだ。」

これまでの会話で一番感情のこもった言葉を口にするアスカ。
その体が不意にぐらりと揺れる。2日近く迷宮区に籠もりっぱなしによる疲労の蓄積で体は限界だった。
倒れそうになるのを賢明に堪えるが、体に力が入らず膝を突いてしまい、細剣も右手から落とす。
神の悪戯か、はたまたシステムがアスカの隙を突いたのか。
タイミング悪く、無防備なアスカの近くに先ほどと同じモンスター、〈アックスリード〉が出現する。
既にアグロレンジに入っているのか、斧を振り下ろそうとしてくる。
敵の姿を捉えることはできているが、体が動かない。アスカのコンディションなど関係なく振り下ろされる斧。
アスカのHPバーは完璧なステップ回避によりほとんど減っていないが、機動力重視の装備であるため防御力はたいしたことはない。無抵抗に三度振り下ろされる斧をくらったら全損する可能性すらある。
そこまで把握して、自分に死が迫っていることを認識しながらも、アスカは恐怖に囚われることはなかった。
――ここで終わりか・・・。
アスカはやけにゆっくりと振り下ろされているように感じる斧を見ながら、達観したように死を受け入れようとしていた。
だが、

「危ない!!」

緊迫した声と共に〈アックスリード〉とアスカの間に躍り出てくる人影。
先ほどまで会話していた黒ずくめだ。
あの距離から一瞬でここまで移動するとはなかなかの敏捷値だ。むろんアスカほどでは
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