アインクラッド編
2人の出会い
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〉も
相手の振り下ろしてくる斧を三回連続で避け、
隙のできたのど元目掛けてリニアーを突き込む、
の定型化してきた動きを三回繰り返すことによって難なく倒せるようになっていた。
しかし、自分の体すれすれを通り過ぎていく斧に怯まず集中し続けることはアスカにとっても並大抵のことではなく、〈アックスリード〉がポリゴン片となって消えたあと、緊張の糸が切れて、壁にもたれかかってそのままずるずると腰を下ろす。
モンスターはある一定範囲、一定時間に湧き出てくる数が決まっているようで、連続で何匹か倒すと、しばらく次のモンスターが現れなくなる。
今回もいつもと同じタイミングでモンスターがポップしなくなったので、アスカは次のモンスターが出てくるまで休憩をしよう、と思っていた。
そんなときに声を掛けてきたのが、その黒ずくめである。
言葉の意味も分からなかったが、アスカは何よりもその服装に訝しむような目を向ける。
不思議な格好をしていた。
アスカは目立たないように、茶色のコートを羽織っているし、ズボンもシンプルなグレーだ。
だが、その声の主の服装は全身黒ずくめ、以外の表現のしようがないものだった。
靴もズボンもグレー寄りの黒。上に羽織っているフードケープも黒色だし、フードを目深に被っていて顔は見えない。フードの隙間から少しだけ見える髪の毛も黒色なので、首元が少々肌色を晒している以外、本当に全身真っ黒だった。
アスカと同じく長時間戦闘をしていたのだろう、フードケープの耐久値が減っており、あちらこちらにほつれがある。
不気味,としか言いようがない。
派手な色で装飾華美な装備は同じ性能の地味な装備よりも高い。装備に実務的な性能のみを期待しているようなプレイヤーなら、必然的に少々地味な服装になる。
それでもお店によって異なる色の装備が置かれているのに,下から上まで前進の装備を黒一色に統一するのは難しいことだ。
関わるべきではない、とアスカは一瞬思った。どう考えても正常な思考の持ち主ではない。
現実世界では,銀行強盗がしていそうな格好なのだから,アスカがそう判断するのも当然だ。
しかし、体格から判断して年下だろう。声のトーンもかなり高い。
語りかけてきた内容からしても,絡まれた訳ではなさそうだ。
いつものように年上のプレイヤーにパーティーメンバーに誘われているわけではない、とアスカは判断する。それに、先ほどの単語の意味をアスカは知らない。
アスカの無言を、質問の意味が分からないと解釈したのだろう、その黒ずくめは言葉を続ける。
「オーバーキルっていうのは、相手モンスターの残りHPに比べて、過剰攻撃を行うことなの・・・なんだ。2回目のリニアーですでに〈アックスリード〉のHPバーは数ドットしか残っていなかった。あとはソードスキルを発動し
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