第十二話 数字
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までも、イラつきながらもそう対応すると。
クローザーは俺の言葉を聞いて、アイテムストレージを開いた後。
「あ、ホント。 何かなこれ? MHCP001-2Cって書いてあるんだけど? バグアイテム?」
そんなことを言いながら、アイテムをその場でグラフィック化した。
アイテムの見た目は、俺が先ほど見た、ユイスリーと同じような感じだが……。
色が青じゃなく、赤だ……。
そう思っていた時。
「アルスさん、ヘヴンさん。 どちらでもいいので、早くあのアイテムを奪ってください」
突如、今まで黙っていたユイスリーがそう発した。
「……そうかッ!」
それを聞いて、ヘヴンが動こうとしたその瞬間。
「おっと?」
クローザーは、その手を閉じて、アイテムを自分の胸元へと入れた。
リアルであれを見ると、中々エロいものがあるのだが……。
正直、今はそれどころじゃない。
「人から物を奪うのは泥棒じゃない? それに、これ多分レアアイテムでしょ?
売ればお金になりそうなのに、渡すわけないでしょ?」
クローザーがそんなことを、我が物顔で言った瞬間。
「タイミリミットですね」
ユイスリーが、淡々とそんなことを口にした。
その意味は……恐らく、文字通りの意味なんだろう。
あのアイテムの解凍条件……。
それは恐らく、あのアイテムをストレージから出して、所有者が一定時間持った時だ。
だから、あの時、ユイスリーは早く奪えと命令した。
ストレージから出した後の交渉じゃ……遅いんだ……!
「この、アバズレ女め! それをよこせ!」
同時に、ヘヴンが目に見えない速度で、クローザーへと飛び掛るが。
その直後。
クローザーの胸元が、突如、光った。
恐らく、あのアイテムがある場所……。
「え? 何これ? 光ってるんだけど? すごくない?」
クローザーは初め、そんなことを飄々と言っていたが……。
「あ、あれ……なんで?」
突如、頭を抑えてガタガタと震えだした。
同時に、ヘヴンが不愉快そうな顔をしながら、クローザーの胸元に無造作に手を突っ込むが……。
「くそ! アイテムがないぞ!?」
そんなことを、苛立ちを隠しきれずに口にした。
……アイテムがない。
ということは……。
脳裏に、最悪の状況が過ぎる。
いや、恐らく……それで、間違ってないんだろう。
腹を括るしかないか……。
俺は、ゆっくりと、背負っていたグリュンヒルを引き抜き、戦闘態勢に入った。
「痛覚って、ないはずでしょ!!?? なんで? なんで? 頭が熱いんだけど!? 頭が痛いんだけど!?
まってまってまって、やめてやめてやめて! 頭痛い痛い痛い痛い痛い! ギブギブギブ! ギブだってえええええええ!!!!」
頭を抱えなが
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