第十二話 数字
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その服装は、露店でも平均2Mくらいする高級装備だ。
さらに体の所々につけてるアクセサリーや頭につけてるカチューシャは……。
全部装備合わせれば10Mはくだらない。
もし強化品であれば、下手したら15Mじゃ収まらないだろうな。
「ああ、この装備? こんなのはただの部屋着。 たかだか2Mくらいの安物だしね?
もっと高い装備もあるけど?」
そんなことを自慢気に言うクローザーに。
俺は暫く黙った後。
「ああ、そうか。 もしかしてアンタ、姫プレイでもしてるんですかね……」
そんなことを言ってやると、クローザーは口角を上げて、ドン引きするくらいビシっとポーズを決めた後。
「よく知ってるじゃない? 褒めてあげる、三河屋さん?
私はこの一層で、周りから『姫』と呼ばれているの! 私はスーパースター! 何もしなくても、周りが貢いでくれるんだから!
私は選ばれた人間! このスペシャルさ! ラグジュアリーさ! VIPさ!」
来る狂来るとポーズを変えながらそんなことを吐いた後。
最後に己の体を撫でるようにして、口元に人差し指を持ってきながら。
「嗚呼……美しさは罪。 私はなんて罪な女。 けどまぁ、勝手にファンがやってるものだし? 私は別に悪くないし?
というか私がこんなに可愛いから、これくらい当然だし? ていうかこれでも足りないくらいだし?
私が姫なのは当然で必然で当たり前で常識なんだから、しょうがないよねぇ〜」
なんてことを、ベラベラ喋り出した。
……コイツは……性格地雷だ。
俺三河屋ではないからね。 言い出したのは確かに俺だが。
確かに、見た目は可愛い。
こう言うのはアレだが、今俺の前にいるヘヴンより数段可愛い。
まぁ、あっちのが若いからってのもあるんだろうが。
その影響なのか、今俺が腕を掴んでいるヘヴンは、俺が下手に腕を放せばすぐにPKしそうな勢いだ。
こんなところでいざこざが起こって相手のヘソを曲げられても困るんだが……。
「と、り、あ、え、ず。 あのー。 クローザー姫様? この三河屋が貴方様をお尋ねしたのには理由があるんですよ」
あくまでも紳士的な態度で、笑顔を崩さずそう接する。
ここで、相手を挑発したら面倒になる。
折角出てきてくれたんだ。
アイテムをとっとと回収してとんずらしよう。
「どうしたの? 三河屋さん。 私のファンになるなら自由だけど? ていうか今私を見てる以上、本当は見物料ももらいたいところだけど?
それとも装備くれるの? もらうけど。 ああ、100kくらいのアイテムなら別にいらないから。 腐るほどあるし?」
「いや、逆ですよ逆。 アイテムをもらいたいんですよ。 恐らく、貴方のアイテムストレージに、見たことのないアイテムがあると思うんですが……」
あく
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