アインクラッド編
第九話免許皆伝かもしれない
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岩に甲高く響く音が鳴り続き、全員の岩が半分ほどまでヒビが入った頃には、時計は12時を回っていた。
「もう、12時ですね…攻略組は突入する頃ですか…」
ナギとアスナは揃って岩を見るが、亀裂は半分を超えるか超えないか。三日かかってやっと半分なのだ。
「何か裏ワザでもないと終わらないよ…」
「サイガ君の剣で割ろうよ!」
「俺も考えたけど岩と剣の相性悪そうだからな、あと俺の剣壊れるからヤダ」
正攻法以外にシフトし始めた一行が意見を出しあっていると、
森へと続く一本道から牛のモンスターに追いかけられたプレイヤーが全力でこちらに向かってくる。
そのプレイヤーとは、《鼠のアルゴ》。
「アルゴさん後ろ!!」
「牛トレインしちゃってる!!」
アスナとナギの声をよそにアルゴは何かをしきりに伝えようとしているが、焦っているせいで未知の言語になっている。
「おたすけええええ!」
「アルゴさん落ち着いて!って、私達武器取られちゃってるんですけど!」
「どうするの!?どうするの!?」
パニック状態の三人が固まっているところに《トレンブリング・オックス》が突進を仕掛けた。
なんとか三人はかわした。
《トレンブリング・オックス》は少し離れこちらの様子をうかがっている。
「んで、アルゴどうしたんだ?」
「そうダ!この大岩のどれカ…《仙人の座する迷子岩》だかラ…」
キョロキョロあたりを見回し、仙人の座る岩を指差した。
「多分アレ!あの大岩を割れば、第二層ボス戦の新情報が出てくるはずなんダ!」
「「「ええっ!」」」
再び《トレンブリング・オックス》が突進をしてきた。
「ひぃッ!!」
「早く攻略隊に伝えないト、今回の層もベータからの変更点があるんダ!はやく、あの岩を割ってくレ!」
「そんなこといきなり言われても…」
「三日かかってようやく半分ーー」
今度はアスナとナギに向かって《トレンブリング・オックス》の三たび目の突進。
しかし、ここで全員違和感に気付いた。なぜか、アスナだけ異様に狙われているのだ。
「うわあっ、こっちこないで!!」
「アスナ凄い懐かれてるな…」
「…ほんとだね」
「……」
「なんだろ、美少女フェロモンかナ」
「じょ、冗談言ってる場合ですかー!!」
またもや突進、アスナはマントを棚引かせながら回避する。
この時、サイガは現実世界に今似た光景そっくりのものを思い出した。
「アスナ!その赤い色のマントに反応して追われてる!」
「!?……ははぁん?なるほどね」
アスナは赤いマントを脱ぎ、自分の前に広げた。
突進してくる牛を闘牛士さながらに避けていく、すると牛
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