アインクラッド編
第九話免許皆伝かもしれない
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は少なくない。
それ故にSAOでの食事は現実世界のそれより大切なのだ。
「…何て言えばいいんだろ…」
「まともに相手しちゃダメだね〜」
「なるほど!空腹時の集中力を利用したんですね!」
三者三様の反応、ネズハが実践するといったのでナギが全力で止めた。
「で、今サイガ君は食糧持ってるの?」
「もちろんですよ」
馬鹿にするなと言わんばかりにサイガは返答した。
どれくらい入っているのかと確認する為にナギはサイガのウインドを可視状態にして、ストレージを漁り始めた。
かなりの量があったのだが…
「…黒パン…黒パン…黒パン……」
「な?あっただろ?」
「…という事は…サイガ君一層からずっとこれ食べてたの…?」
「キリト君でもそんな事しないよ…」
黒パンとはSAOの世界で最も安い食料である。手軽に手に入るが味の保証はされておらず、
味がなく、何かを塗るなりかけるなりしないと食べられたものではない。
この世界で食事は数少ない娯楽の一つである。それをなしに攻略し続けるのは、常人ならまず無理だ。
「なんかひどい言われようだな…」
「別に悪いって訳じゃないけど、もっと他に食べる物あったでしょ?」
「それを言われると…私も最初そうだったから…」
「べ、別にアスナの事じゃないのよ、やっぱりサイガ君は変わってるなーって思ったから」
「じゃあ、ナギはいつも何食べてんの?」
サイガの質問の答えとして、ナギはストレージから小瓶を取り出した。
「なんだ?これ?」
「指で触ってみて」
言うとうりに小瓶をつつくと指先が淡く光り始める。
「このまま指でパンをなぞると…」
なぞった所に薄い黄色のクリームが現れた。
「さ、召し上がれ」
「……………!」
サイズはあまりの味の変貌と、美味しさに言葉を失い、一つ目をあっという間に食べ終えた。
「美味しい?」
「………………」
「美味しくない?」
「………………」
「もう、何か言ってよ」
「まあまあ、しょうがないじゃない。私だって言葉が出なかったし」
「そ、そうだけどさ…」
実はこの二人アスナはキリトに、ナギはアスナにこのパンを教えてもらい双方とも終始無言だったのである。
そんな最中、3つめのクリームパンを食べ終えたサイガはやっとくちをひらいた。
「いや〜美味かった、ナギありがとな〜教えてくれて」
「え、あっ、うん、どういたしまして」
「じゃあ、さっさとこのクエストを終らせよう!」
休憩は終わり、再び修行が始まった。
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