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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



 海から吹き抜ける蒼き風が、伝説上の妖魔や魔獣を象った巨象群の周囲で舞い踊る、
狂った道化師の造りし庭。
 その中心部にて、少女の躰を依り代として現世に降臨した、
一人の強大なる紅世の王。
 その真名を “天壌の劫火” アラストール。
 視線を合わせるだけで、心は疎か魂までも焼き尽くすような灼紅の神眼。
 その瞳で眼前の白銀の騎士をしんと見据えながら、
少女の姿をした王は口を開く。
 己がたったいま行使した、紅世禁断の秘奥の名を。
「“霞現(かげん)ノ法” 神器を介し、契約者を 「休眠」 の状態へと陥らせ、
代わりに 『王自身がフレイムヘイズと化す』 (いにしえ) の禁儀。
今や遣える者も少なくなったがな」
「い、一体どういう事じゃ?」
 遠間で二人の対峙を見据えるジョセフが、
盟友の未だ視ぬ姿に困惑した言葉を漏らす。
 しかしその脇で傲然と佇む実孫は、
先刻の王の言葉を正確に理解していた。
「さっきの言葉を鵜呑みにするのなら、
おそらくアラストールがシャナの精神を支配し、
その躰を 『スタンド』 みてーに操ってるんだ。
ヤツら、“グゼノトモガラ” とかいうのは
妙な能力(チカラ)で人形や石像を自在に動かすのはお手の物。
なら “人間” を、テメーの思い通りに操ったとしても、別に不思議はねぇ」
 そう言って無頼の貴公子は、いつもより遙かに強い印象で心に灼き付く少女を見る。
「フ、フフフフフフフ……コレが、コレが異次元世界の能力者、
“フレイムヘイズ” その真の姿か!
ヘカテー嬢から聞き及んではいたが、まさかコレ程とはなッ!」
 少女の風貌を取った王の前で凛然と屹立していた白銀のスタンド使い、
J・P・ポルナレフは驚嘆の中にもそれを上回る歓喜を織り交ぜて、
眼下のアラストールにそう告げる。
「相手にとって不足なしッ! いざ存分に剣を交わらせようぞ!!
アラストール殿ッッ!!」
 そう言って猛るスタンドの切っ先を、より鋭く少女へ向ける。
 しかしソレに対してアラストールは、
手にした大刀の柄頭を一度その細い指先で軽やかに反転させ煌めく刃を己に向けると、
そのまま竜鱗と化した黒衣の内側に納めてしまう。
「……ッ!」
 疑念から瞳を歪ませる青年に対し、
アラストールは少女の声で端然と告げる。
「期待に添えなくてすまぬが。我は(いくさ)(つるぎ) は用いぬのでな。代わりに、」
 そう言った刹那、眼前で構えた少女の手の中で
紅蓮の焔が不可思議な紋章と共に
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