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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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ロワ》 」
(ドゥ) ……」
 その少女の存在を無視して、無情にカウントされていく戦いへの秒読み。
(まだ終わってない!!)
(ユヌ)
 そし、て。
「ZEROッ!」
「ZERO……!」
(ZEROッッ!!)
 三者三様の想いを込め、爆発する精神の波動。
 そこに。
「待てぇいッッッッ!!!!」
 雷神の放つ霹 靂(かみとき)
 ソレが急転直下で招来したかのような峻厳なる声が、三者を直撃した。
「……」
「……」
「……アラストール」
 再び三者三様に、声を発したペンダントへと視線を向ける
二人の 『スタンド使い』 と一人の “フレイムヘイズ”
「この勝負、我が預かる……」
 各々戦闘態勢を執ったまま己を見る3人に対し、
深遠なる紅世の王は静かな声でそういい放った。
 ソレは、我が子を慮る父親の如き心情。
 そして、遙かなる悠久の刻の中、確かに感じた感情。
“それほどまでにか”
 己を、見失ってしまうほどに。
 半ば諦観にも近い想いで炎の魔神は自分の上、
いま現在酷く不安定で暴走状態にも近い少女を見る。
「……」
 戦いの 「結果」 だけを求めるのなら、
先刻の一合で決着は付いていたのかもしれない。
 しかし。
 一対一。
 ソレも、男と男の真剣勝負。
 そこに横槍を入れるような、しかも一人の者を二人で討ち果たすような
「勝ち方」 は、眼前のこの男は絶対に納得しないだろう。
 その事が、余計にこの少女を傷つける事になる。
 少女の想いは、至ってただ純粋なだけ。
 しかし純粋で在るが故に、時に傷つき苦しまねばならないコトも在る。
 その想いに 「自覚」 がなければ尚更。
 そしてソレは、眼前にいるこの男も同じ事。
 互いが互いを想い遣るが故に、そしてその想いが純粋で在るが故に、
誤解を生じ、擦れ違い、傷つく事になる。
 そして想いの深さ故に、それは時に愚かな行為をそうだと気づかずに
行ってしまう事にも繋がる。
“そのような悲劇” だけは避けねばならない。
『そんなコト』 はもう、 “自分達だけで” 十分だから。 
 消えない過去の記憶を一度心中で深く噛み締めた紅世の王は、
同時に焼け付くような視線で眼前の 『幽波紋(スタンド)使い』 を見る。
 そして、厳かに口を開く。
「白銀の騎士よ。まずは非礼を詫びよう。
一対一の果たし合いに、余計な横槍を入れてしまったな」
(アラストール……!)
 自分の所為でアラストールにまで責任が及んだコトに、
少女は衝撃を受ける。
「Non、オレも戦いの熱に浮かされ少々性急過ぎたようだ。
どうやらまだまだ精進が足りぬらしい」
 少女の胸元から上がる声に、銀髪のスタンド使いは敬意を失さずそう返す。

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