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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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を向ける。
 その背後でワシは? とジョセフが己を指差していたのは余談。
 歩きながら勇壮なるその声で承太郎は白銀のスタンド使い、
J・P・ポルナレフへと言い放つ。
「オイ、選手交代だ。どうやらソイツは本調子じゃねぇらしい」
「――ッッ!!」
 承太郎のその言葉に、少女の首筋が羞恥で赤く染まっていった。
 その胸中を知ってか知らずか、無頼の貴公子は言葉を続ける。
「昨日ロクに寝てねーし、飛行機ン中でクワガタのスタンドとヤりあったからな」
 言いながら襟元から垂れ下がった黄金の鎖を鳴らし、
長い学生服の裾を海風に靡かせる。
「ベストの状態じゃねーヤツ、それも女に勝った所でなんの自慢にもならねーだろ。
勝手なコトを言うようだが、オレとテメーで仕切直しだ」
 そう告げる無頼の貴公子に対し、
白銀のスタンド使いは少女の左胸からいともアッサリとスタンドの剣先を引き、
三度闘争心に誘発された瞳で向き直る。
「フッ、ようやく真打ちの登場というワケか」
 耳元の特殊なイヤリングを揺らしながら、
ポルナレフはスタンドのサーベルを鮮鋭に構え、承太郎へと突き付ける。
 最早自分のすぐ傍にいる少女は、眼中に入っていない。
「今度は、失望させないでくれよ……」
「絶望させてやるぜ。オレのスタンドのパワーとスピードでな」
 互いにそう言い、近距離で真正面から対峙する二人のスタンド使い。
「うるさい……」
 傍らでそう漏らした、少女の言葉は両者のどちらにも届かない。
「フム。その意気や良し。
どうだ? せっかく互いの射程距離にまで歩み寄ったんだ。
ここは一つ、スタンドを引っ込めて
完全なる “ゼロの状態” からでの勝負にしないか?」
 鋭い芯はあるがどことなく戯れるような明るい声で、
真剣勝負の方法を提案する銀髪の青年。
「西部劇のガンマン風に言えば、“抜きな、どっちが素早いか試してみようぜ”
というヤツか? 良いだろう」
 承太郎はその提案を受け、銀髪のスタンド使いから一歩距離を取る。
「うるさい……!」
 自分を見ない、見てくれない青年に対し、今はその聞き慣れた声すらも
少女にとっては悲痛な響きとなる。
「カウント・ダウンは?」
「任せる……」
 最早完全に互いの存在しか眼に入らず、
二人のスタンド使いは戦闘時微弱に流れる 『幽 波 紋 光(スタンド・パワー)』すらも裡に留め、
発動の時を待つ。
(サンク)
 銀髪のスタンド使い、J・P・ポルナレフが制 限 時 間(タイム・リミット)
を母国の言葉でまず口にする。
(キャトル) ……」
 承太郎もそれに倣い、同じ言語で返す。
(まだ……終わってない……!)
 その両者の間に割って入るように、傷心の少女の声。
「|3《ト
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