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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!
 周囲に響き渡る、空間の軋むような斬撃音。
 少女の斜め上段の構えから撃ち放たれた力任せの袈裟斬りを、
『片手で』 受け止めた騎士のスタンドは、そのまま少女の大刀の腹を
細剣の刃で滑らせ己の脇に逸らす。
“柳に雪折れ無し” 受け止めるのではなく 「抑える」 といった感覚で、
サーベルの刀身を(たわ) ませ大刀の破壊力を弾動した刃の空隙で
()なして無効化させるスタンド剣士。
「……ッッ!!」
 極限の脱力が生み出す、先刻の料理店で見せた技とは対極に位置する
緩やかな剣捌きにより、少女の躰は開いて大きく泳ぎ、
攻撃対象失った大刀と共に前へと流れる。
 その刹那。
 ピィンッ!
 滑らかな半円を空間に描いたスタンドのサーベルが、
突如閃光の如き白銀の刺突と化し、少女の左胸へと急襲した。
「――ッッ!!」




 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!




「……」
「……」
 炎の紋章が刻まれた特製のセーラー服、
その左胸の位置でピタリと停止した白銀の切っ先。
 そして。
「チェック・メイト」
 揺らぎのない鮮鋭な声で戦いの終焉を告げる、
精悍なる白銀のスタンド使い、J・P・ポルナレフ。
 一瞬の交錯。
 余りにも速過ぎる決着の光景。
 湿った海風が一迅、ソレを物語るように傍らを通り抜けた。
「む、むう、何という強さだ。まさかシャナが手も足も出ないとは……」
 脇でそう声を漏らす祖父を後目にその孫は、
(確かに相手は強ェが……ヒデェな、今日のシャナは)
心中で呟き紅髪の少女を見据える。
(全然戦いに集中してねぇ……今の一撃も心此処に在らずといった、投げ槍なカンジだ。
ソレに、いつものアノ焼け付くような雰囲気(オーラ)がまるで伝わってこねぇ……)
 どういうことだ?
 落胆にも似た表情で視線の先の少女を見据える無頼の青年。
「不調、のようだね。シャナは。
やはり、まだホリィさんの事を引きずっているのかもしれない」
 己の隣で佇む花京院が、静かな声でそう語りかけてくる。
「……」
 そうは見えなかったが。
 ちゃんとフッ切れたように見えた。
 旅立ちのアノ朝に。
「兎に角、ボクが代わった方がよさそうだ」
 そう言って歩みだそうとする翡翠の奏者を無頼の貴公子は引き止める。
「待ちな。まだ肩の傷が治ってねーだろ。ここはやはりオレが行く」
 鋭い意志をその瞳に宿して花京院にそう告げ、
少女の左胸にサーベルを突き付けるスタンドへと
空条 承太郎は歩み
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