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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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も似たようなコトが在ったが、そのときとは明らかに様子が違う少女の背中に
青年は怪訝な視線で声をかける。
「うるさいうるさいうるさい。おまえ、怪我してるでしょ。
ベストな状態じゃないのに戦うのは得策じゃないわ」
 再び返ってきた、いつものようなうるさいほどのキレのない声。
 そして少女は青年に背を向けたまま、
眼上のスタンド使いの元へと歩みよる。
「……」
 反対に銀髪の青年は、興を殺がれたような表情で石段を登ってくる少女を見据える。
 そして一度淡いを嘆息を口唇から漏らした後少女に背を向け、
彼女の戦い易い開けた敷地へと移動を始める。
 空間を歪めるような異質な音を伴って右手に細 剣(サーベル)
携えた白銀の騎士が出現し、少女が剥き身の大刀を正眼に構えて対峙したのは
その約2分後。
 遠間に波濤が響き、湿り気のある風が互いの髪を揺らした。
「空条 シャナ? 敬愛する我が主の命とはいえ、
女を斬るのは気がすすまぬが、向かってくるのならば話は別。
覚悟を決めて戴こうか」
 騎士道の礼に失せず、敵であってもその存在に敬意を払う銀髪の青年に、
「情けは無用。さっさと来い」
紅髪の少女は端的にそう告げるのみ。
 その両者を離れた位置で静かに見据える白金の青年。
 己が戦っているわけではないが、その研ぎ澄まされた 「戦闘の思考」 は
既に両者の状況を緻密に分析している。
(あのスタンドの身のこなし、剣の握り具合、構えの姿勢、そして前後のバランス。
どれを取っても完璧だ。それに斬るような殺気を放っているのに
ソレが完全に制 御(コントロール)されてるから一切の “ブレ” がねぇ)
 少女の対峙する相手の、尋常成らざる力量に承太郎はより一層視線を研ぎ澄ます。
(さぁ……どうするシャナ? 今回は力押しが通用するような
スタンド使い(あいて)』 じゃなさそうだぜ)
 そう心中で呟き青年が視線を送った先。
「……」
 少女は戦気が在るのか無いのか、まるで夢遊病者のような漠然とした雰囲気で
ただ大刀を構えるのみ。
 そして口唇からは、譫言のような声無き声が断続的に漏れるのみだった。
 その戦闘中にあるまじき少女の姿に、眼前の青年が訝しげに視線を歪めた刹那。
「――ッッ!!」
 少女は足下の年季の入ったアスファルトを踏み切り、
大刀を斜に構えたまま白銀のスタンドへと突っ込んだ。
(どうした!? 不用意過ぎるぜッ!)
(フッ……! このオレを相手に堂々と正面からとはな! 
舐められたものだッ!)
 少女の取った選択に、白金と白銀の 『スタンド使い』 がそれぞれ対照的な心情で
両目を見開いたのはほぼ同時。
 グァッッッッッッッッッギャアアアアアアアアアアアアアア―――――
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