第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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A 成長性−完成
ソノ己を灼き尽くさんと向かってくる5つもの巨大炎弾を
銀髪の男性は鮮鋭に見据えると、
「無駄だ!! 如何に威力が在ろうと “炎は” オレに通用しない!!
我が剣の斬撃は真空を生み出しッッ!!」
精悍な声でそう言い放った刹那、その5つの巨大な炎の塊は、
嘘のようにスタンドの繰り出す旋風斬撃にスベテ斬り裂かれ、
後に遺った無数の炎の断片は捲き起こった真空に拠り自由を奪われ、
空間に固定されたように縛り付けられる。
「“弾き返す” と言っただろう……」
周囲で紅蓮の迸りと共に己を照らす炎の断片に精悍な風貌照らされながら、
白銀の 『スタンド使い』 は勝利を確信したように微笑を浮かべる。
「“真空の中で炎は存在出来ない”
故にソレを極めれば炎を支配するなど至極簡単なコト。
貴公の技は確かに素晴らしいが、『風』 制するオレのスタンド能力は
どうやら “天敵” だったようだな?」
そう言ってその強靭な意志の宿った青い瞳は、
目の前の少女の姿を執った王を見据える。
「不憫だとは想うがコレも勝負ッ! 引導を渡させて戴こう!!」
鮮烈なる声と共に、スタンドが眼にも止まらぬ剣捌きで旋風を巻き起こし、
ソレが空間に拘束されていた総数30以上の巨大な炎の断片をスベテ、
超高速で前方へと弾き飛ばし微塵の回避空間も遺さずにアラストールへと襲い掛かる。
ヴォッッッッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ
ォォォォォォ―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!
凄まじい爆熱音と共にアラストールの放った超絶の焔儀が、
形容を換えしかし威力はそのままに、否、
ソレ以上の猛威を以て弾き返され、華奢な躰に全弾直撃する。
「――ッッ!!」
声は発しなかったがその全身を周囲の空間数十メートルと共に炎で覆われ、
その内で瞳も口唇も判別出来ずただ黒い影が微かに蠢くのみとなった少女の姿。
「……ア、アラストール……己の放った炎が余りにも強すぎるので、
自分自身が灼かれてしまっている……!」
輪郭を震わせながら、紅蓮狂い乱れる眼前の驚愕に
ジョセフが信じがたいといった表情で声を漏らす。
「……」
その脇にいた無頼の貴公子もまた同様に、
しかし視線はあくまで、炎の中で揺らめく少女の影に釘付けになったまま。
「……ッ!」
やがて青年の淡いライトグリーンに映るその “影” は、
まるで生きた屍のように両手を大きく開いて前に突き出し、
ゆっくりと、本当にゆっくりと眼前のスタンド使いへと前進を始める。
己の放った劫火の嵐の中を、まるで死出への路を模索するかのように。
その姿を認めた白銀のスタンド使いは。
「フッ……全身を炎で灼か
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