九話:男達の会議
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「まったく、とんだ邪魔が入ってしまったな」
「ええ、本当に困ったものですね」
『これからどうしようか』
エドモンと天草に同調しつつぐだ男は頭を悩ます。
今までは自然に接することができていたが、いざ意識すると今まで通りに出来るか分からない。
明日からどんな顔をして会えばいいのかと頭を悩ませているところへジークフリートが声をかけてくる。
「思ったのだが、恋人のいない俺達で話すよりも恋人がいる人間に聞いた方が有用な意見を得られるのではないか?」
『――あ』
その手があったかと三人同時に手を叩くのであった。
そして、思い立ったが吉日とでも言うように彼女持ちで名高い二人を集めてみせた。
良い意味でも、悪い意味でも。
「余とシータの馴れ初めが聞きたいのだな?」
「我が最愛のネフェルタリとの話を聞きたいと言うか、よかろう」
ラーマとオジマンディアス。
一人称が余であると同時に愛妻家であるという共通点がある二人だ。
この二人であれば有用な話をしてくれるに違いないと思いぐだ男は二人を呼んだ。
「まず、余とシータの出会いは―――」
「ネフェルタリは余にとって―――」
初めは穏やかな口調で話し始めた二人であった。
しかし、時間が経てば経つほどに状況は変わってくる。
「シータの愛らしいところはだな―――」
「ネフェルタリは愛らしいだけでなく勇猛果敢であり―――」
既に一時間ほど経過しているが二人の話の勢いに陰りはない。
「見た目だけではない。シータは余に一途でいてくれるのだ!」
「余には数多の女がいるがネフェルタリへの愛は微塵も揺らがぬ!」
三時間が経過し、ぐだ男達の目が死んでくる。
「シータこそが世界最高の女性だ!!」
「それは己の中だけであろう。ネフェルタリに勝る女などこの世にはいない!!」
六時間が経過し、ぐだ男達は魂が抜けたような顔で話を聞かされ続ける。
現在、二人はどちらの嫁が最高かの激論に突入している。
いつ終わるかは分からない。
ただ、ハッキリしていることは一時間や二時間で終わるはずがないということだけだ。
『ごめん、みんな……。この二人を選んだ俺が間違ってた』
「いえ…あなたは…決して…間違いではありません」
「間が……悪かった…だけだ」
「エデ……俺は…帰れそうもない」
全員が戦闘不能のグロッキー状態になりながら悟る。
何でもかんでも人に頼ると碌な目に合わないと。
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