九話:男達の会議
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で追い返されたな、そう言えば」
ぐだ男の言葉に納得を示すキャスニキ。
エメルという女性にアタックをしているのだが軽くあしらわれている。
彼女曰く『誉の一つもないガキの炉端に行く気はない』そうだ。
「でもよぉ、何もしなけりゃ何も起きないぜ?」
『困った』
為せば成る、為さねば成らぬ何事も、と言うように動かなければ何も始まらない。
世の中とはままならないものだと頭を抱えるぐだ男。
そんな彼の元に更なる助っ人が現れる。
「何やらくだらんことで悩んでいるようだな―――雑種」
黄金の髪に深紅の瞳。身に纏うは黄金の鎧、ではなく黒のライダースーツ。
暴君の代名詞にして、全てを見通す叡智を携えた存在。
その名も―――
『キャスニキ、コーヒーお代わりちょうだい』
「はいよ」
「ええい! この英雄王ギルガメッシュを無視するか雑種!」
ギルガメッシュ。何かと尊大な態度で接してくるぐだ男の先輩である。
『凄過ぎる王気にあてられておかしくなっただけです』
「ハッ、我の目は誤魔化せんぞ? だが、我の王気を感じ取ったことだけは真か。よい。此度の無礼、貴様の道化ぶりに免じて特別に許してやろう」
我こそがルールだとでも言わんばかりの横暴な態度でぐだ男を許すギルガメッシュ。
その態度にエドモンやキャスニキは嫌そうな顔を見せるが彼は気にも留めずにどかりと椅子に座る。
「それにしても、貴様が恋とはな。身に過ぎたものを求める人間はすべからく愚かだが、それはそれで愛でようもあるというものだ。光栄に思え雑種。この我自らが道を示してやろう」
『嫌な予感……』
どこまでも自身に満ち溢れた顔で語っていくギルガメッシュ。
ぐだ男は直観的にこれはダメだと悟りながらも聞いてみる。
「男子が媚びを売るなど言語道断。男ならば力強く、かつ簡潔に言えばよい。
―――我のものになれ、セイバー! …とな」
『ナイワー、ショウジキナイワー』
余りにも自己中心的な言葉にドン引きするぐだ男。
恐らくそれを言われたセイバーという女性も聖剣が滑るぐらいにドン引きしただろう。
「分からぬか? フッ。確かに、雑種には些か荷の重い言葉やもしれぬな」
「分かりたくもねえだろーよ、普通」
「ほぉ……狂犬風情が吠えるではないか? いや、貴様は牙を持たぬ故に羊か」
「あ? 喧嘩なら買うぜ、金ピカ野郎」
一触即発の空気が流れキャスニキとギルガメッシュが向かい合う。
ぐだ男達は巻き込まれては大変とそそくさと退散を始めるのだった。
因みに騒ぎに駆け付けた悪役ボイスの店長に二人揃って焼きを入れられたらしいが自業自得というものだろう。
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