九話:男達の会議
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?」
『プレゼントかぁ…』
ジークフリートからの提案になるほどと頷くぐだ男。
オーソドックスではあるが明確に好意を伝えるには良い方法だろう。
『ところでジャンヌの好きな物ってなに?』
「すまない。そこは俺にはわからない。天草、お前ならわかるのではないか?」
「彼女の好きなものですか……」
しかし、ジャンヌの好きな物が分からなければ意味がない。
そこで最も彼女といる時間が長い天草に尋ねてみるが彼はどうしたものかと頭を悩ませる。
「彼女は大抵のものは嫌いませんから、特別なものと言われると……思いつきませんね」
彼女は大抵のものを嫌わずに受け入れる。
それ故に特別なものとなると答えが出てこなくなるのだ。
「別にそれだけに答えを限定する必要はない。ぐだ男、お前ならば特別なことをする必要はない」
『それで大丈夫なのかな?』
「お前の魅力は誰とでも信頼関係を築けることだ。それが悪人であれ善人であれな」
届いたコーヒーをちびちびと飲みながらエドモンの言葉に耳を傾ける。
「誰の傍にいてもおかしくなく、誰の傍にいても許される。一種の才能だな」
『そうなんだ』
「自身は気づかないのも特徴だが、まあ、それはいい。とにかく、お前は特別なことをしなくていい。誰の傍にでも居られるお前が特定の人間の傍にいる。それだけで十分だろう」
語り終えて満足したのか自身のコーヒーを啜るエドモン。
一方のぐだ男は納得したような、納得してないような表情を見せる。
彼は普通の人間だ。誰にとってもそこに居て普通だと思わせる平凡な人物。
だが、そんな普通な人間だからこそ誰かにとっての特別な存在となることができる。
『じゃあ、ジャンヌと一緒に居られる時間をもっと作ればいいの?』
「それでしたら、私に考えがあります」
『どんな作戦?』
ぐだ男の言葉に閃いたとばかりに手を打つ天草。
何となしにその仕草を不安に思いながらも彼は尋ねてみる。
「ジャンヌに生徒会長の座から降りてもらうのです」
『却下』
バッサリと切り捨てるぐだ男。
しかし、天草は何が悪いのか分からない顔をして説明を続ける。
「何故です? ジャンヌは自由な時間を手に入れられ、私は生徒会長の座につける。さらにあなたは落ち込むジャンヌの傍に居て好感度を上げられる。俗に言うWinWinというものですよ」
『物は言いようだね』
天草に白い目を向けながら温くなったコーヒーを啜る。
彼は100%善意でこうした外道な作戦を思いつくのだから末恐ろしい。
『ジャンヌを傷つけるような策は無しの方向で』
「良い案だと思うのですが……」
『ジャンヌを泣かせるぐらいなら一生嫌われた方がマシ』
な
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