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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第60話:悪い事は出来ない……悪いと思わなければ出来る。
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閣下は近くにマオさんが居ると挙動不審だったもんな(笑)

「……で、私を如何するつもりよ!? どうせオモチャにでもするんでしょ……」
「お前、何度言いわせんだ? 捕まえねぇって言ってんだろ!」
そう、捕まえない。でも利用はする。

「そうだよマオ。君の選択肢は3つ有る。まず1つめは、金庫に用意しておいた1万(ゴールド)を盗って(グランバニア)を出る。その場合は、見事盗みに失敗した間抜け女泥棒として世界中に噂と似顔絵を撒き散らす……お情けで金を恵んでもらったヘッポコとしてね」
「そんな選択肢を選ぶなら死んだ方がマシだ!」

「そう? じゃぁ2つめの選択肢は、1万(ゴールド)を盗らずに金庫を閉めて、明日から本気で従順なメイドに生まれ変わり、何事も無かったかのように勤め続ける。この場合はオジロンとの関係も続けてあげてね……男の虚栄心は愛人の質で大きくも小さくもなるから」
「……お前等皆死ね!」
この女……本当は凄く性格悪いんだな。

「そうか、では3つめの選択肢だが……グランバニアの為に泥棒のスキルとメイドのスキルを生かして働いて欲しい。その契約金代わりに1万(ゴールド)を支払おう」
「……スキルを生かす? 具体的には何をするの?」

「それはこの場では言えない。明日の朝、普段通りに出勤してくれ。応接室で待ってる……あぁ、ラーの鏡を持ってきてね。ヘンリーに返すから」
リュカさんは全ての選択肢を提示して出入り口への道を譲る。俺もそれに習い道を空けた。

マオさんは俺等の行動を疑いながら暫く観察して、徐に1万(ゴールド)を掴むと大股で歩き部屋から出て行った。
これで2番目の選択肢は消えた。従順なメイドとして働く気は無いって事だ。

「あの女、明日来ますかね? 1万(ゴールド)もあるんだから、そのままトンズラじゃないですか?」
「来るね、絶対に。プライド高いから……」
俺なら逃げるな。3年間も弄ばれてたんだ……この事実は心を折る。

「リュカさんはマオさんが逃げないって自信あるんですか?」
「あるよ。だってあの女が盗んだラーの鏡は、僕が盗み返したからね、先刻(さっき)。如何やったか聞かないと気が済まないさ」

そうなのだ……マオさんが自室を出て、金庫(のダミー)を開けるまでの間に、俺とリュカさんは彼女の部屋に侵入して、隠し金庫からラーの鏡を盗んでおいたんだ。
それなのに明日返せと言う、ハンパない嫌がらせ。

因みに盗んだ方法だけど、至極簡単。
過去の世界から持ち帰った最後の鍵を使って部屋に侵入し、レミラーマを使って隠し金庫を見つけ出し、もう一回最後の鍵を使って金庫を開ける。これにて盗み完了。蛇足だけど、この国には最後の鍵が2本ある、もう1本はアルル所有

金庫の鍵だが、鍵穴の
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