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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第60話:悪い事は出来ない……悪いと思わなければ出来る。
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……『ラーの鏡を盗まれてしまった!』ってね」

「あの鏡は元々ラインハットに伝わってきた物だけど、あの国が動乱に見舞われた時に、窮地を救った由緒正しき一品なんだ。でも、あの鏡を手に入れた立役者は僕だったから、盗まれたことを内緒にしておいちゃ拙いと思ったんだね。まぁ根が小心者の真面目野郎だからねヘンリーは(笑)」

「地味なメイドが一人居なくなって、国宝が盗まれたことが知れ渡り、その女が自国にメイドとして現れれば、それが何を意味するのか推理するのは難しくない。とは言っても俺は正直、半信半疑だったけどね……そんな泥棒がしれっとグランバニアに現れるなんてさ」

「……お前(ウルフ)は私が泥棒だと決めつけてなかったのか、先刻(さっき)まで?」
「いや……アンタがオジロン閣下から体を使って暗証番号を聞き出したことで、リュカさんの言い分が正解だと解った」

「あの禿大臣の? ……どういう事よ!?」
「アンタさぁ……オジロン閣下から暗証番号を聞き出した後、直ぐに金庫を開けに来ただろ。でも正しい開け方を知らなかったから、3つのダイヤルに1つずつ番号を入れて失敗しただろ」

「……そ、それが何よ!?」
「俺達さぁ、この部屋に時折来るんだけど、その都度金庫のダイヤルが0に合ってることを確認してからこの部屋を出るんだよね。でもさぁ……オジロン閣下の番号が放置されたままの時があったんだ。意味解る?」

「し、しまった……ガセネタを掴まされたと思って慌てていたわ」
俺達の目の前で可愛いメイド服を着た女が、膝から崩れ落ちて嘆いてる。
いいねぇ……その格好だと胸の谷間が丸見えだ。

「まぁそんな訳で、別に価値なんて無い王家の証を、国宝だと噂流して誘き寄せたんだよ。色々調べたら、君は各地で盗みを働く時、金目の物の他にその家(王家)の重要な宝を盗んでるからね……売ったら足が付くし、戦利品として自己満足に浸ってるんだろ?」

「でもさ、まさかオジロン閣下を落とすとは思わなかったねリュカさん。俺が狙われると思ってたよ……若いから。それとも爺が好みなの?」
「うるさい! 私だってあんな爺は願い下げだったわよ! でも陛下に迫ったら上級メイドの資格を失うし、お前は生意気でムカつくんだよ!」

「吃驚なのはオジロンだよ。あんなに僕の事を非難してたくせに、いざ若い女に迫られたら、ホイホイ体を許しちゃうんだもん。……で、如何だった僕の叔父は? 一応同じ血筋だし、凄いモノ持ってたんじゃねぇ?」

「変なこと聞いてんじゃねぇよ! でも傑作でしたよね……オジロン閣下は懸命にマオさんとの仲を周囲に隠してましたからね。やっぱり気まずかったんですかね?」
「あれ隠してたの? むしろ目立ってたと思うけど……」
確かに……マオさんは常に平静を保ってたけど、オジロン
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