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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜聞き込み編〜
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やはりそうか。となれば、もう一つの推測──かつて、そのギルドで今回の事件の要因となる《何か》があったのかどうかも確認せねばならない。
今度はキリトが二つ目の質問を発した。
「ヨルコさん。答えにくいことだと思うんだけど……事件解決のために、本当のところを聞かせてほしいんだ。俺たちは、今回の事件を《復讐》あるいは《制裁》だと思っている。カインズさんは、そのギルドで起こった何らかの出来事のせいで、犯人の恨みを買い、報復されたんじゃないかと………。昨日も同じこと訊いたけど、もう一度よく考えてほしいんだ。何か、心当たりとか、思い当たることはないかい…?」
今度は、すぐには答えが返ってこなかった。
ヨルコは俯いたまま、長い沈黙を続けたあと、かすかに震える手でお茶のカップを持ち上げ、唇を湿らせてからようやく頷いた。
「……はい………、あります。昨日、お話しできなくて、すいませんでした……。忘れたい………あまり思い出したくない話だったし、無関係だって思いたかったこともあって、すぐには言葉にできなくて………。──でも、お話しします。《出来事》………そのせいで、私たちのギルドは消滅したんです」
────ギルドの名前は、《黄金林檎》っていいました。べつに攻略目的でもなんでもない、総勢たった八人の弱小ギルドで、宿屋代と食事代のためだけの安全な狩りだけしてたんです。
でも、半年前……去年の秋口のことでした。
中間層の、なんてことないダンジョンに潜ってた私たちは、それまで一度も見たことのないモンスターとエンカウントしたんです。
全身真っ黒の小さなトカゲで、もの凄くすばしっこくて見分けにくくて………一目でレアモンスターだって解りました。
大騒ぎになって、夢中で追いかけまわして………誰かの投げたダガーが、偶然、ほんとにものすごいラッキーで命中して、倒せたんです。
ドロップしたアイテムは、地味な指輪が一つだけでした。でも、鑑定してみて皆びっくりしました。敏捷力が二十も上がるんですよ。そんなマジックアクセサリ、たぶんいまの最前線でもドロップしてないと思います。
力説している本人には悪いが、この時キリトとアスナの視線は隣で暴飲暴食しているレン──正確には、その血色のコートの下に着ている地味な色のシャツに注がれていた。
そこから先は………想像、できますよね。
ギルドで使おうって意見と、売って儲けを分配しようって意見で割れて、かなりケンカに近い言い合いになったあと、多数決で決めたんです。
結果は、五対三で売却でした。
そこまでのレアアイテムは、とても中層の商人さんには扱えないので、ギルドリーダーが前線の大きい街まで持っていって
競売屋さん
(
オークショニア
)
に委託するこ
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