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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十八話 第三次ティアマト会戦に向けて、準備です!
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ついて包み隠さない指標を提示したことである。だが、同時に彼は帝国軍侵攻によって被害を受ける辺境惑星の損害と、それによって失われる人命などの算出データも提示したのだった。敢えてマイナスの面を率直にさらけ出すことによって、引き続いて提示されるプラスの面の効果を総倍に見せるという方法はシャロンも前世で行っていた事である。

 この日、自由惑星同盟評議会に置いてトリューニヒトが発言したのも、そういう主張であった。
トリューニヒトは自分の議席から立ち上がり、周りを見まわしながら声を張り上げた。

「諸君!!圧政を是とする帝国の暴政に立ち向かうことこそが、我々の使命であることは明白である。そのためには国力を整え、将来帝国に対し大規模な侵攻作戦を行う事こそ、我々の究極の目的である」

 だが!!とトリューニヒトはさらに声を張り上げた。

「それ以前に近隣の同志が危機にさらされているという状況を放置することを諸君は是とするのか!?自由惑星同盟に所属する民は皆平等、自由を享受する権利を受けているのではなかったか。ハイネセンとその周辺の都市惑星さえ、無事であれば、イゼルローン回廊に近い惑星など放置しておいていいと諸君は主張するのか!?」
「口を慎め!!」
「極論だぞ!!」
「我々は市民の血税を投入するのだ。慎重になるべきだ!!」

 などという野次がとんだが、彼を支持する野次の方がずっと多かった。

「国防委員長に問おう!!我々がなすべきこととはいかなることなのかを!!ここでこうして空しく議論をし、もって戦勝の好機を逸し、祖国を守る崇高な義務と理念を持つ軍隊に足かせをはめようというのか!?それとも議論のみで帝国軍を駆逐する必勝の策を委員長はお持ちなのか!?」

 ケヴィン国防委員長は42歳であったが、額の汗を拭きふき、オールバックの砂色の髪を白髪に染めかねないほどの蒼白ぶりである。

「私は言おう。今我々に必要なのは議論ではなく、行動の時なのだと!!こうしている間にも帝国軍はイゼルローン回廊に近い我々の同志の居住する惑星を制圧し、そこに住む同志を弾圧するかもしれない。想像できようか!?我々の隣人、友人、その家族が帝国軍に住居を焼かれ、田畑を荒らされ、工場を破壊され、そして・・・失礼、こういう露骨な言い方をしてしまうことをお許し願いたいが、女子供は強姦され、凌辱されることを諸君らは想像できようか!?今こそ行動の時なのだ。このような悲劇を繰り返さないためにも、我々は立ち上がり武器を取るべきなのだ!!これになお反対をする者に向かって、私はこう言いたい」

 トリューニヒトはクライマックスに向かって突き進む競技選手の様に胸を大きく上下してこの言葉を放った。

「エル・ファシルの屈辱を諸君は忘れたのか?!」

 おおっ!!!という悲鳴に
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