第8話 邂逅は突然に
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いのだ。
だがそれでも恐れても直、意地を張り通そうと言う気概自体については、スカサハは嫌いでは無かった。
「どの様な時代になっても男という生物は、女の前でカッコを付けたがるものじゃな」
取りあえず、そう、結論付けた。
「それに、お主と同類がおる様じゃしな」
「?そ、それは如何いう―――」
エジソンが全てを言い終える前にスカサハが襖を全開にすると、魔術と言う世界の秘密を知る藤村組の面々が、招かれざる客を出迎えるように庭に来ていた。
その事にエジソンが疑問を口にする前に雷画の口が開く。
「先ほど士郎から連絡が有ったのでな。禊を含めた後処理のために、利信の奴を向かわせた」
「そうすれば若もシーマ殿も直に戻ってきましょう」
「それまでは、我らだけでも少しは時間を稼げますよ。スカサハ殿」
如何やらエジソンと同じくして参列する気満々の3人。
しかもこちらの疑問を聞く前に、あっちが勝手に聞きたかった質問の答えを言う始末だ。
これにスカサハは、またしても溜息をつく。
「ヤレヤレ、これは止めるだけ野暮と言うモノか?」
「フハハハハ!これは我々の最大戦力ですな!これではシロウの出番が無いやもしれませんな!」
「だと、いいのじゃがな・・・」
そこで嘆息すると、招かれざる客が衛宮邸の扉をすり抜けて侵入してきた。
「招いた覚えはないが、此方の状況確認のために時間を待ってくれた礼じゃ。相応の歓迎をしてやるぞ?客じ・・・・・・なっ――――」
すり抜けて来た侵入者来る前に一度閉じた目で見据えたスカサハは、我が目を疑った。
何故ならそこに居たのは・・・。
「ずいぶん黒々とした姿じゃのぉ」
「こうして向かい合っているだけで・・・・・・・・・寒気が止まりませんね」
「この感覚・・・・・・・・・まるで死神と向かい合っているみたいだな」
「?如何したのですかな、レディ?」
侵入者の禍々しい姿に各々が感想を口にする中、スカサハの異変に唯一気づいたエジソンが声を掛けるがスカサハは反応していない。
だがそれもその筈だ。
「よぉ、師匠!随分待たせたが来てやったぜ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クー・・・・・・フーリン・・・?」
嘗て自分の下で修業に励み、朱色の魔槍ゲイボルグを授けた弟子――――青き槍兵のクー・フーリンの姿が彼女の瞳には映し出されていたのだから。
−Interlude−
士郎とシーマは、応援と後処理のために駆けつけてくれた利信から事情を聴いて、後を任せて急いで帰るために、夜闇を切り裂くように全力で駆け抜けていた。
疾走中に士郎は後悔し続けると共に疑問が尽きなかった。
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