Side Story
少女怪盗と仮面の神父 25
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ように打ち鳴らし。
怪盗を荷物扱いしてる神父は
「皆さんで応戦の準備を始めたほうが良いですよ、イオーネさん」
と、笑顔で言い残して足先を反転させる。
「あら? 三の隊が追い着いちゃったのね。予想よりかなり早いじゃない。貴女が連れてきたの? マーシャル」
「アタシは預かってた伝書鳥に「さっさとここまで来い!」って書いた紙を持たせて飛ばしただけよ。役立たずを抱えてるのはお互いサマ、ね!」
「あはは! 言えてる!」
ミートリッテがこの場を離れるからか、神父の肩越しで覗くマーシャルの剣技に鋭さが増した。
二人の剣捌きは、既に目で追いかけるのも難しい速さで、
実際にぶつけた数と、聴こえる金属音の数が一致してない……気がする。
それでいて双方に傷一つ付かない辺りが、なお一層恐ろしい。
やはり二人共、途方もない化物だ。
「とか、感心(?)しててどうするのよ、私! ちょっと待って神父様! 私まだ、貴方にもあの人達にも尋きたいことが!」
真っ黒な木立の隙間へ潜っても、足下の確認すらせずにさくさく前進するアーレスト。
たまに腰を曲げたり、上半身を左右どちらかへ傾けるのは、垂れ下がった枝や葉を避けているせいだろう。
明らかに利いてる夜目をうらやんでいる間にも。
女性達との距離はどんどん開いていく。
「そんなに焦らなくてもアルフィンさんは無事ですし、貴女の疑問は彼らとイオーネさんが対峙した時に解消されます。ですがそれまでに彼らが貴女を捕らえた場合、貴女が真実を知る機会は二度と訪れません。アルスエルナの領土内に居る限り、イオーネさん達は決して、彼らには敵わない。そして、彼らの願いは『自分達の業に貴女を巻き込みたくない』でしたから」
明かりが遮られた状態の為、彼の表情はほとんど見えていない。
その分さらりと告げられた内容に、落ち込んでた苦い感情が再沸騰した。
「アルフィンが無事だなんて、よくもそんなふざけた表現ができるわね! あの子は怪我をしてたのに! ううん。傷付けられたのは腕だけじゃない。いきなり知らない人に拉致され、怪我させられて、どんなに痛かったか……どれだけ怖かったか! 今回の騒動で、あの子の中には間違いなく、人間に対する恐怖心が植え付けられたわ! 貴方が村を裏切ってイオーネとやらに堂々と組みしたおかげで、多分、大人達への不信感も芽生えてしまってる。今後、親しみを持って接しようとする人間が増えれば増えるほど、あの子はいつ誰に傷付けられるか分からない警戒心で、精神的に孤立してしまう! 貴方達が……私達が! そうさせてしまったのよ! 幼い子供を怯えさせて心を抉って孤独にまで追いつめたくせに! 何が神父よ! 何が司教よ! 慈愛の女神に仕える聖職者が聞いて呆れ
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